どんな日も、どんな時代も、そばにある。

三条教区・三条別院 | 浄土真宗 真宗大谷派
三条教区・三条別院 | 浄土真宗 真宗大谷派

三条別院に想う
MEMORIES OF THE BETSUIN

2020年10月4日

三条別院に想う

新型コロナ感染下における法話の動画配信の試み
(第12組淨照寺 小林 智光 氏)

▲新型コロナウイルス感染症により、法話会が中止になることが増えています。そんな中、インターネットによる法話の動画配信が試みられています。今回は積極的に法話動画配信を行っている小林智光氏(第12組淨照寺)に個人的に行っている活動を中心にお話しいただきます。


新型コロナウイルスの感染が拡大し、自粛ムードとなって早数ヶ月。今年の春は予定という予定が軒並み消えました。

法事の延期やお斎の取り止めが多く、外出もままならない日々で始めてみたのがYouTubeでした。やってみて気付いたのですが、ある意味で実際の法話の現場より難しいかもしれません。マイクの前で一人で喋って一人で編集し、聴衆の反応も無いのですから。しかしこれは中々勉強になります。

私は以前からフェイスブックというSNSで他の宗派の方と交流するご縁を頂くことがあります。

2012年には有志で『若手有志による真宗合同布教大会』というものにも参加させて頂きました。その中で感じたのは「どこの組織も大なり小なり不自由や閉塞感を感じている」という事です。大谷派から見ると本願寺派さんはとてもキッチリとしているイメージ、特に法話に関しては布教使制度がバッチリで養成機関も充実していて理想的に思えます。

しかし当の本願寺派の方に聞けばその「キッチリ」が窮屈なのだそうです。別院や本山などでお話する時は事前に原稿を提出させられる事もあるのだとか。さながら検閲のようだ、大谷派のほうがよっぽど自由な宗風で羨ましいと、とある本願寺派住職さんが語っておられました。まさに『隣の芝生』と言えるのではないでしょうか。

同じ組織では活発な意見も出ませんし、出ても消える事もしばしば。ところがSNSなどのオンラインツールは地域も宗派も飛び越えてしまいます。

今まで出来なかった学びの場も、いとも容易く作り上げる事ができます。

コロナの影響で各組の研修会などが中止になったことを受け、先月から有志でオンライン学習会を立ち上げました。その名も「越後聞法道場・恩ライン」。色んな組の方が参加され、先般は開教使の名倉幹氏をお招きしてオンラインで学習会を開きました。皆さんも是非ご参加下さい!

小林 智光 氏(第12組淨照寺)

▲新型コロナウイルス感染症で、YouTube、ZOOMをはじめとしたオンラインツールの普及が急速にすすみました。一方で、その流れに竿をさす動きもあります。小林氏は、それを「リモコン効果」ではないかといいます。リモコン付きテレビが発売された時「2、3m歩けば届くのに必要か?」と不評があったそうですが、やがて定着していったという譬えです。別院・教区でも部分的にWEB会議が定着してきたようですが、今後はさらに積極的に展開させていくことが必要になりそうです。


○次回の「三条別院に想う」は、

小林 淳 氏(新潟県フードバンク連絡協議会事務局長)

よりご執筆いただきます

【次回は特別編⑦フードバンクの試み】

▲新型コロナウイルス感染症の影響で、経済的・社会的困窮により日常生活が失われたひとり親家庭に、5月から県内フードバンクが連携をして支援を始めました。三条別院でも7月・8月・9月と3ヵ月にわたり、教区内寺院の協力を得て物資を集めてまいり、来年3月まで期間を延長することも決定致しました。次回は、新潟県フードバンク連絡協議会事務局長の小林氏に、長期化する新型コロナウイルス感染症の困窮家庭への影響の実際と、フードバンク事業の必要性等について執筆していただきます。

2020年9月7日

三条別院に想う

旅行業界は今(近畿日本ツーリスト関東燕三条営業所次長 鈴木 久幸 氏)

▲7月22日から苦境に立たされている旅行業界を経済的に支援するための政府主導の「Go To トラベルキャンペーン」が始まりました。首都圏から地方に感染が拡大するのではという批判と、経済的にやむをえない政策なのだという声と、賛否が分かれるところです。三条別院でも11月の本山御正忌団参について、本年は中止を決定しました。旅行業界と言っても、旅行代理店、バス会社、ホテル・旅館、地方の観光業界等、様々な業種に影響が及んでいますが、今回は旅行代理店では実際にどのように考えているのか、近畿日本ツーリスト燕三条営業所次長の鈴木氏にお聞きしました。


8月のお盆休みが明けた現在、世界中で猛威を振るっている新型コロナウィルスの日本での感染者数は14,200名を超え、新潟県でも120名を超えています。(2020年8月17日現在。)

海外渡航の制限、不要不急の外出自粛により、春先から旅行のキャンセルが相次ぎ、営業所内、外での勤務中のマスク着用はもとより、営業活動の制限、テレワーク推進、計画休業で社員がシフトを組んで勤務している状況です。

政府肝入りの「Go To トラベルキャンペーン」、「つなぐ新潟キャンペーン」等観光テコ入れ策は大変ありがたかった(あまりお客様の前では大きな声では言いづらいですが……?)のですが、期待していた団体旅行は殆ど動かず、どちらかと言うとご家族、少人数旅行の新潟県内宿泊希望の方々からの問い合わせが今来ている状況です。

お客様との話に於いては2020年に関しては実施する事が決まっている小学校修学旅行等では行先の変更(東京→会津等東北方面へ)、貸切バスは各乗車人員の席と席の感覚を空けて1台で収まる所を2台に増やし、追加で掛かる費用は各市町村に補助金申請等を行い、旅行・食事施設・見学施設では感染症対策を行っているかを確認し、各学校毎に打ち合わせを行っております。

一般団体に関しては人員参加が少なくなりがちですので、小人数に合わせてプランと見積書の作成に入り、それでもご参加者が見込めず、実施が難しい時はそのままの日程で来年、再来年に移行。

先行き不透明な為、どちらかと言うと来年や再来年若しくは更にその先の年のイベント等に合わせて旅行の計画をお客様と打ち合わせている状況です。

全国的に見ると仕事が無くなってしまった業界の方々を地元農家が行っている人手が必要な作業に人材を紹介する業務ですとか、各市町村自治体に対して発表された「地方創生臨時交付金」の公募に対し、各市町村の商店街・温泉街活性化の為の商品券・宿泊券の代行販売、発券業務、バス会社・食事機関・見学施設とタイアップして地域誘客の為に地元観光コースの手配等の企画を提出させて頂いております。

このように私共も今迄の旅行の取り扱い業務を超えて日頃お世話になっている地元、地域の皆様方に何でお役に立てるか?という新しい発想に立った提案が求められているのを感じております。

今迄私共の仕事もより遠くの方面にお客様をご案内するという目線に立ちがちだったのですが、これまであまり目を向けていなかった地元新潟県を見渡した時、かなり多くの観光資源がある事に改めて気付かされます。とかく新潟県は観光に弱いと言われがちですが、決してそのような事はありません。

村上の城下町の町屋、黒塀通り、寺院の庭園、各地にある豪農の館、弥彦神社、旧山古志村の棚田、十日町の清津峡渓谷、美人林、上越の春日山城を始めとした各地の城跡等、枚挙に暇がありません。

十分他県と比べても全く遜色ない観光地である事がはっきり分かります。

逆に今地元新潟県の観光地に新たに目を向けて、新しい観光地を開発し、より多くの方々に対して感染症対策を徹底しながら、ご案内する事により、地元経済の復興に少しでもお役に立てればと思っております。

その為には私共も今迄の業務の範囲内だけでなく、地元産業、経済の動き、その地域の方々の暮らしぶりに目を向けて、「今自分が住んでいる新潟県の方々の為に何が出来るか?」という考えのもと、地元自治体、商工会議所、観光協会の方々のご意見等をお聞きしながら、より人々が求めている商品を作っていく事が求められている時代なのを近頃強く感じております。

最後に後何年か?経って、この新型コロナで苦しんだ時代を懐かしく思い出せる日が来る様日々更なる勉強に励んで参りたいと思っております。

鈴木 久幸 氏 (近畿日本ツーリスト関東燕三条営業所次長)

 


▲執筆していただいた後に、さらに詳しくお聞きしてみました。

Q.はじめに旅行業界といっても幅が広いと思いますが、どのような業種があるのでしょう?

A.旅行会社・バス会社・ホテル・旅館・食事施設・見学施設、航空・JR・船舶等、多岐に渡っています。それらがすべて新型コロナウイルス感染症による大きな打撃を受けています。

Q.経済的な影響はどのくらいでしょうか?

A.業種によって異なりますが、報道にあるように、一年前に比べて売り上げが「1割」に落ち込んでしまったというのは誇張ではありません。今のところ県内でコロナウイルスが直接の原因で倒産してしまったところは聞いていませんが、補助金でなんとか食いつないでいる状況です。

Q.大きな旅行会社と、小さな旅行業者ではどちらが被害が大きいのでしょう。

A.単純には比較しづらいですが、当社は従業員が5,000人ほどいますので、それだけ人件費がかかります。特に新型コロナウイルス感染症の影響で海外旅行がまったく無くなってしまいましたので、そういう意味では大きい旅行業者のほうが被害は大きいと思います。ただ、現状ではどこも補助金に頼っているので、今後どれだけ補助金が続くのかが問題になると思います。

Q.「Go To トラベルキャンペーン」についての率直な感想を聞かせてください。

A.失敗という感じはありませんが、大きな効果があったのかは疑問です。当初は政府の方針が十分に決定する前に、問い合わせが直接旅行業者に来てしまったので大変でしたが、現在は事務的にも随分と落ち着いてきました。感染症が収束していないので、当然団体旅行はふるわず、結果として家族・夫婦という少人数のグループで、近距離での旅行が主となりました。それ故、この企画で利益を増やすことには限界があるように感じます。

Q.バスや新幹線などで集団感染がでたという話をあまり聞かないのですが、実際どうしてなのでしょうか?

A.実は、バスや新幹線や飛行機などの乗り物は、集団感染の原因になりうるということで、かなり早いうちから政府から注意を受けてきたので、それだけ換気や消毒や密を避けるということが徹底されています。そして、その効果がでているということだと思います。

Q.今後の展望などはあるでしょうか?

A.本音で言うと年内は耐える期間と割り切っていますので、来年以降の展開に力を入れたいと思っています。また、私個人としては、時代に沿った新しい事業に挑戦する一方で、原点に戻り「お寺の参拝旅行」に改めて力を入れていきたいです。企業の旅行は「完全に中止」となりがちですが、お寺の旅行は「次の年まで延期」(通称スライド延期)という柔軟な対応ができることに特徴があります。このような緊急事態では、頼るところはお寺なのではないかと考えているのですが、実は歴史的な経緯もあり、そもそも近畿日本ツーリストが飛躍するきっかけは1961年の親鸞聖人700回御遠忌法要と1970年の大阪万博であったと聞いています。また、「お伊勢参り」などが旅行業界のはじまりだと言われています。近いところでは親鸞聖人の御誕生850年立教開宗800年慶讃法要に力を入れていきたいです。


○次回の「三条別院に想う」は、

小林智光 氏(第12組淨照寺)

よりご執筆いただきます

【次回は特別編⑥法話の動画配信の試み】

▲新型コロナウイルス感染症により、法話会が中止になることが増えています。そんな中、インターネットによる法話の動画配信が試みられています。緊急事態には組織では関係者の承認を得る必要があるため、個人や有志で積極的に取り組んでいることが多いです。次回は積極的に法話動画配信を行っている小林智光氏(第12組淨照寺)に個人的に行っている活動を中心にお話しいただきます。

2020年8月21日

三条別院に想う

三条の料亭は今
(料亭二洲楼社長 石橋 昭尚 氏)

▲7月29日現在、国内での1日の感染者が1000人を超える等、新型コロナウイルス感染症の影響が首都圏を中心に再び拡大しつつあります。直接的な影響を受けている飲食業界でも、特に料亭は歓送迎会や宴会等の利用は減っています。特に規模の大きい料亭になると、人件費だけでなく家賃や光熱水費などの固定費が大きな負担となっているそうです。しかしながら三条市では、飲食店組合などを中心に助けあいながらこの危機に立ち向かっています。老舗料亭の二洲楼に、夏を迎えた現在の状況などについて執筆いただきます。


2月に新型コロナウィルスのワードがメディアで報道された当初は他人事のように受け止めておりましたが、感染が世界や日本中に拡大するに連れどんどん経済が悪化していく恐怖感を覚えました。そして不況の波は早くまず、観光、ホテル、飲食業界と一気に押し寄せてきました。

当店も当然のことながら当初歓送迎会でいっぱいだった予約がすべてキャンセルになり、新たな予約も入らず、今後どうすればいいのかしかし何か手を打たなければ危ない状況に陥ってしまうと危機感でいっぱいでした。

その中でまず考え付いたのがテイクアウト。

こんな時期だからこそ普段敷居が高いイメージの料亭の味をリーズナブルに皆さんに味わって頂こうと考え、現在は当店の名物になりつつある【鮭の味噌漬け弁当】や懐石料理を1つの折箱に詰めた【玉手箱】を開発し皆さんから大変喜ばれました。

お買い上げ頂いた企業様やお客様からは駅弁にしたら絶対喜ばれるよ! とうれしいお言葉を頂戴しております。

そんなことをしながら、きっと同業の仲間たちも同じ思いや悩みを抱えてるんじゃないかと思い声掛けをし、現状を共有しみんなで乗り切ろうと思いました。その第1弾が【疫病退散アマビエ弁当】(註1)です。我々同様お客様も行きたいところへも行けず、飲み会の機会もなくなっている状況の中お客様とも思いを共有し我々の思いの詰まったお弁当を食べて一緒にウィルスを退散させ前へ進もうと考えました。お蔭様で累計6回の販売で2500個をご購入頂きました。そんな取り組みをしながら5月に入り緊急事態宣言も解除されお客様も少しづつ戻りつつある中、新しい生活様式での日常が始まりました。しかしながら地域のイベント、行事、お祭りなどが相次いで中止になり、食で楽しんで貰えることはないかとみんなで考え出した第2弾が7月5日に開催致しました【燕三条鉄人晩餐会】(註2)です。

料理人がそれぞれ東西に分かれ自慢の一品を食べて頂き参加者に採点してもらい、勝敗を決める食のエンターテインメントで大変お客様に楽しんで頂きました。

結果我々の方が楽しんでしまいましたが……

我々以外にも大変な状況で深刻に悩みを抱えている同業の方が沢山おられます。

我々の活動がほんの少しでも前へ進めれるきっかけになってもらえたらうれしいです。

まだまだ厳しい状況は続きますが1人で抱えずみんなで乗り切って行けたら。

素敵なことだと思います。

こんな状況だからこそいろんなことにチャレンジし、又いろんなものも生まれることに逆に感謝しながらこれからも前へ進んで行こうと思います。

石橋 昭尚 氏
(料亭二洲楼社長)

燕三条鉄人晩餐会に挑む石橋社長

(編集者註1)

アマビエとは江戸時代の瓦版に記される疫病などを予言する妖怪であり、ユーモラスな姿で描かれており、このたびのコロナウイルス感染症ではSNS等を通して人気となった。一方浄土真宗では「神祇不拝」を徹底し自分を中心とした煩悩ともいえる「罪福信」を退けるため、アマビエは信仰しない。そのことを二洲楼に伝えたところ、「それでは新型コロナウイルスを乗り切っていけるように親鸞聖人のお弁当をつくりましょう!」と言ってくださった。

(編集者註2)

西軍「料亭 二洲楼」の石橋昭尚氏と「餞心亭 おゝ乃」の田中真一氏、東軍の「寿司割烹 酉乃井」の十二祐一氏、「遊亀楼 魚兵」の結城義博氏が「極上の夏バテ解消料理」を1人1品ずつ調理して提供し、41人の客が審査員となって評価し、集計して競った。


▲執筆していただいた後に、さらに詳しくお聞きしてみました。

Q.「燕三条鉄人晩餐会」ですが、以前御遠忌弁当を作った際に、料理人は競わされて比べられるのは嫌いなのだと聞きました。また、三条の料理屋はライバルでありながらなぜこんなに協力しあえるのでしょう?

A.そもそもこの企画は本気で競おうとは全く思っていないのです。 複数の店舗で料理を作りお客様に「さぁどうぞお食べ下さい」では普通の食事会になってしまうと思い、なにかお客様も巻き込んで楽しんで頂きたいと言う気持ちから考えた企画でした。 結果的に我々も楽しみながら献立を考えられましたし、料理人それぞれのスキルアップに繋がっております。もともと業界の青年部があり、その中でわりと協力しながら企画運営してきた基盤がありました。 そんな中、逆に今回の事態になったからこそ協力しあわなければとなりました。

Q.飲食店がまず影響を受けやすいと報道等でありました。実際にコロナウイルスが直接の影響で廃業してしまった店はあるのでしょうか?

A.我々の知る限りでは三条の料理店は現在聞いておりません。 多分歴史が長い料理店が多くご先祖が代々蓄えて下さったお陰かもしれません(推測です笑) ただ、今後この事態が長引けば続々と増える可能性は否めません。

Q.「自粛」といわゆる「経済を回す」ということの狭間で利用者も悩みます。実際のところ、売り上げはどのくらい落ちて、今までの売り上げの何割程度を目標にされているのでしょう?

A.感染が拡がり始めた当初 キャンセルが相次ぎ、飲食店は売り上げは9割減、現在は3割減くらいでしょうか。 今後も3割減を維持出来ればと考えます。

Q.コロナウイルス感染症で三条別院に望むことなどありますか?

A.三条別院にはテイクアウトなどでご協力頂いて大変ありがたいです。 昔から 寺町には花街が存在して大変な賑わいがありました。 昔ながらの風情を残すのが本寺小路の強みだと思います。 漠然とですが 個々のお店独自のテイクアウトではなく 本寺小路全体のネーミングまたは三条の寺のシンボルの三条別院のネーミングを生かしたお弁当や○○コースみたいなものを皆さんに食べてもらえたら面白いですよね。


○次回の「三条別院に想う」は、

鈴木久幸 氏(近畿日本ツーリスト三条支店次長)

よりご執筆いただきます。

【次回は特別編⑤ 旅行業界は今】
▲7月22日から苦境に立たされている旅行業界を経済的に支援するための政府主導の「Go to トラベルキャンペーン」が始まりました。首都圏から地方に感染を拡大するのではという批判と、経済的にやむをえない政策なのだという声と、賛否が分かれるところです。三条別院でも11月の本山御正忌団参について、開催の判断が迫られています。旅行業界と言っても、旅行代理店、バス会社、ホテル・旅館、地方の観光業界等、様々な業種に影響が及んでいますが、今回は旅行代理店では実際にどのように考えているのか、お聞きします。

2020年7月2日

三条別院に想う

首都圏は今
(東京教区横浜組西教寺副住職 伊藤 大信 氏)

▲緊急事態宣言が解除された東京でも、6月26日現在で毎日50人近くの感染者がでており、人々の生活は変化を余儀なくされています。2018年秋彼岸会で講師を勤められ、首都圏開教についてお話しいただいた伊藤大信氏(東京教区横浜組)に、現在の首都圏と寺院の様子、直面している課題や教化方法の変化などをお話しいただきます。また、横浜といえば「ダイヤモンド・プリンセス号」が停泊した港があります。


真宗大谷派宗門は、7月1日、大谷暢顯(釋淨如)門首にかわり、新たに大谷暢裕(釋修如)門首をお迎えいたしました。この慶事に遇えましたこと、宗門の一人として、大変有難く思います。

さて、新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちがこれまで当たり前と(勘違い)してきた日暮らしを大きく揺さぶりました。中国の武漢市で原因不明の肺炎患者が確認されたのが昨年12月、日本国内で初めて感染者が確認されたのが1月、この頃の私たちは対岸の火事と言いますか、全容が分からず、特に危機の実感がありませんでした。そして「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客乗員を横浜港で船上にて隔離し始めたのが2月初旬、この頃ようやく少しだけ問題の大きさを感じ始めたと思います。未だ半年にも満たないのに、いろいろなことがありました。以下、横浜に住まう者が、6月24日現在にて思うことを述べていきます。

まず、現在の首都圏です。収束の見通しの立たない中ですが、すでに人びとの警戒心はかなり薄れ、注意力も散漫になってきたと私の目には映ります。マスクを着用することはすっかり一般化しましたから、ほとんどの人が着けています。しかし、良し悪しは論じませんが、移動交流・経済活動はコロナ前にほぼ戻りました。「自粛疲れ」という言葉も、みなさん御存知のことでしょう。(ちなみに、バー好き・酒好きの私ですが、3月27日を最後に未だ飲み歩いていません。偉い!)

次に、お寺の様子です。三条教区も東京教区も広範ですので一概には言えませんが、東京教区の横浜は月忌参りの習慣がほぼありません。拙寺は北陸出身と関西出身のお宅の2軒だけが月忌の御縁です。そちらへの訪問もひととき控えました。また、横浜では御法事は、御門徒宅のお内仏においてはほぼなく、99%以上を寺の本堂で勤めます。しかし広い本堂で勤めるにもかかわらず、御法事はおおかた中止・延期となりました。本堂の空間が広くても、そもそも御家族・御親戚が自宅から寺まで行く自家用車や公共交通が密接・密閉となるためです。さて、そのような本堂の活用としてですが、友人のお寺は、学校・幼稚園などが休校・休園となり、学習施設や娯楽施設まで閉鎖されて、自宅で鬱屈している子供たちのために、本堂を開放していました。換気・除菌をこまめにするなどの配慮をしてお迎えし、自由に過ごしてもらったそうです。

最後に、教化の新しい試みとして、多くの組織・個人が法話をインターネット配信していますが、突出の一人として、東京都中野区の願正寺住職竹川英紀さんがおられます。「浄土真宗法話配信有志の会」を立ち上げ「浄土真宗Live」を展開、先日は三条市正楽寺当院齊藤研さんが法話に立たれ、開催には小千谷市淨照寺当院小林智光さんに尽力いただきました。

以上、あらあらと述べました。仏教、ことに浄土真宗は「お聴聞」に尽きます。「お説教」をいただくことが肝要です。状況はどうあれ、身を運べるならば身を運び、インターネット配信ならば画面上にて、ともどもに聴聞させていただきましょう。今秋また、三条別院のお取り越し報恩講に参詣したいと念じております。

合 掌

伊藤 大信 氏
(東京教区横浜組西教寺副住職 東京教区教化委員会同朋の会推進部門委員)


○次回の「三条別院に想う」は

石橋 昭尚 氏(二洲楼)

よりご執筆いただきます。

2020年6月11日

三条別院に想う

新型コロナウイルスで分断する世界の中で(南米開教監督・ブラジル別院輪番 塚本智光氏)

▲新潟県を含む39県は5月14日に緊急事態宣言が解除され、5月21日に関西2府1県、25日には首都圏の1都3県と北海道の解除が行われました。しかし一端封じ込めに成功したと言われている中国や韓国でも集団感染が発生し「第2波」が懸念されています。そんな中、感染者数が世界第2位(5月25日現在)となったブラジルは、感染拡大は現在も継続しています。各国が独自で対応を迫られていて世界の「分断」が報道されるようになりました。現在ブラジル別院輪番を勤められている塚本智光氏(第18組等運寺前住職)は、世界や社会の分断が問題となる中、ブラジルで「非日系」の真宗門徒に触れ、「同朋」という言葉を再認識しているといいます。


ブラジルのコロナウイルスの感染者が34万人、死亡者も2万2千人を超えました(5月25日現在)。たった一日だけの新規感染者が2万人を超え、死亡者が千人を超え、終息に向かう傾向など全くなく、実数はその10倍以上だという情報もあります。会議のため日本から帰国したその日から2ヵ月間、大半は自室で自炊をし、別院内の6名は互いにメールで連絡を取り合い、ZOOMで会議をしています。通いの職員5名は自宅待機です。

南米開教区に赴任してまだ2年にも満たないことですが、その短い期間の中で「同朋」また「僧伽」という言葉の重要性を再認識させられています。南米開教区では、毎年20~30名の帰敬式受式者があって、真宗門徒の歩みを始められる方が誕生しています。特筆すべきは、その受式者の過半数以上が非日系のブラジル人であるということです。

日本的な感覚では、生まれ育った家や、肉親の葬儀をご縁と真宗の教えに出あい、帰敬式を受けることが多いのです。ところが、非日系のブラジル人受式者たちは、真宗門徒の家に生まれ、仏教で親の葬儀を執り行った者は一人もいないのです。ブラジルはカトリックが国教ですから、幼少の時にカトリックの洗礼を受け、学校では「なぜ」という疑いを持つことすら許されない宗教教育を受けます。そこに疑問を感じ、満足できない人々が、純粋に仏教や他の宗教に教えを求めて寺に来るのです。

別院の彼岸会法要で、非日系のブラジル人に感話をしてもらったことがあります。彼は日曜礼拝の仲間に、まず「僧伽」として受け入れてもらったことに深く感動したと話しました。そして、ともに「僧伽」であることに気づいたことで、次第に「法」と「仏」とがすんなりと理解できたと述べました。「仏法僧」ではなく、「僧法仏」の逆順なのです。思えば、親鸞聖人も法然上人を「よきひと」といただき、法然上人は「ひとえに善導に依る」とおっしゃいました。教えとの出会いは、過去から現在に流れるものではなく、現在の身近なところから過去へと訪ねるものなのでしょう。ともに念仏申す「僧伽」たれという呼びかけとしての本願には、言語も国境もないのだと、あらためて思いなおしたことでした。

今年の世界同朋大会が中止になってしまいました。日本語を話せないブラジル人真宗門徒8名を含め、32名の参加を予定していました。残念です。次回の第14回世界同朋大会は、2025年ブラジル大会の予定です。

私たちは、たぶん「同朋」という言葉にも耳慣れてしまったのかもしれません。あらためて人としてのいのちの尊さに目覚め、国籍を超えてその感動をあらたにする同朋大会とならんことを念じています。それまで在職するのかどうかは私の知るところではありませんが、ご縁がありましたらご参加ください。

塚本 智光 氏(南米開教監督・ブラジル別院輪番 三条教区第18組 等運寺前住職)


○次回の「三条別院に想う」は、

伊藤 大信 氏
(東京教区横浜組西敎寺副住職 東京教区教化委員会青少幼年部門幹事)

よりご執筆いただきます。

トップへ戻る