三条別院に想う
MEMORIES OF THE BETSUIN
2023年2月1日
声明と別院とのであい
中冨 正純 氏(第23組福照寺住職)
▲今回は、三条声明会としてお取り越し報恩講をはじめ三条別院の法要・儀式に長く携わり、また23組の新組長に就任された中冨氏に、執筆をお願いしました。
多くのお寺の子供さんがそうだと思いますが、得度考査で初めて別院を訪れることが多いと思います。
私も中学生の時に弟と2人、親に連れられて別院を訪れました。その時の事はほとんど覚えていませんが、9年前と6年前に自分の子供と得度考査を受けに子供と訪れた事を感慨深く感じました。
私は、20年位前に別院で声明を教えているという事を知り参加しました。現在も実施している声明教室です。そこで当時の列座さんに本山で声明講習をやっている事を聞き、是非参加したい旨を伝えました。現在もそうですが人気の講習故に2年待たなければならないという事でした。別院では、その間お取り越し報恩講での掛役をやらせて頂き、儀式、作法を教えて頂きました。本山での講習は本科3年別科2年の課程で声明の研鑽をします。そこでは普段の自坊での法務のお勤めはもちろん、本山、別院での報恩講に出仕する為の声明を学びます。声明に興味を持ったきっかけは、遡る事25年前に、京都大谷専修学院に在籍時に体験した坂東曲との出逢いです。見たことも聞いた事もないインパクトの大きいお勤めでした。単純に自分もこれをやってみたいと思ったのです。その事を目標に講習を終えて、本山の報恩講に出仕して坂東曲を勤める夢が叶ったのです。実際お勤めしてみると、何とも言えない感動がありました。声をふり絞って念仏を唱えていると、今まで歩んできた人生の喜び苦しみ悲しみが呼び起こされるような感覚は、今も私の勇気になっている様な気がします。
教区では准堂衆として声明会に属しており、基本声明講習での、得度を受ける方や葬儀式のお勤めの指導をしています。その他、寺院の落慶法要等への出仕や法要の式事をしたりします。
私はこの度、組長の役を仰せつかりました。今年度は教区改編、慶讃法要があります。任期の3年間、組での行事の運営等をしっかりしていきたいと思います。

中冨 正純 氏(第23組福照寺住職)
○次回の「三条別院に想う」は、
白鳥 賢 氏(第15組本龍寺)
よりご執筆いただきます
▲次号は三条別院の立花講習会の担当をされている白鳥氏から執筆いただきます。正月から春彼岸の立花について、花材や立て方など、皆さん様々な工夫をされていると思いますが、立て方のコツ等について記していただきます。
2023年2月1日
別院書道教室に入会して
天兒 匡 氏(第20組誓林寺住職)
▲今回は、別院書道教室に、新潟市から毎月、通っていただいている、20組前副組長の天児氏より執筆いただきました。
三条別院書道教室東友会に入会して3年が経ちました。還暦を迎え定年退職を契機に苦手ではあっても住職として避けることのできない毛筆を基礎から習いたいと思っていたところ、たまたま大学時代の寮の先輩にお会いする機会があり、この書道教室を紹介していただきました。教室の会場が三条別院であったこともこの書道教室に入会した大きな理由です。「真宗宗歌」ではじまり、「恩徳讃」で終わる教室に書道ができる有難さを感じることができました。別院の報恩講の案内板書きのお手伝いも別院での教室ならではのこととうれしく思えます。
教室は月2回、18時30分から20時までの一時間半です。集中して取り組むこの時間はあっという間に過ぎてしまいます。最初に『永』という漢字を半紙いっぱいに書くところからはじまりました。横線は三十度に筆を入れる、縦線は四十五度、止め、はね、右払い、左払いなど書道の基本が『永』という一文字にすべて含まれているということを講師の木原光威先生から優しくわかりやすく丁寧に教えていただきました。現在は毎月出される課題に取り組んでいます。基本の楷書だけでなく行書、草書の3種類の書体を提出します。半紙に漢字5文字をバランスよく書くことが難しく、よく先生から朱墨で直していただきます。最初に教えていただいた基本は常に意識しているつもりですがそれをつい怠ったり、雑になってしまうところも丁寧に指摘していただけます。そして何より沢山褒めていただく先生のおかげで私のやる気も倍増です。新潟市内に帰る車での50分は毎回充実感でいっぱいになります。先生から朱墨で直していただいた書は私の財産になっています。
まだまだ未熟な私ですが条幅に力強く堂々とした作品が書けるようになることを目標にこれからも書道教室に通い続けたいと思います。皆様も三条別院書道教室東友会に入会してみてはいかがでしょうか。

天児 匡 氏(第20組誓林寺住職)
○次回の「三条別院に想う」は、
中冨 正純 氏(第23組福照寺)
よりご執筆いただきます
▲次号は三条声明会としてお取り越し報恩講をはじめ三条別院の法要・儀式に長く携わり、また23組の新組長に就任された中富氏に、執筆をお願いしました。
2023年2月1日
三条教区女性研修会との出会い
古俣 福子 氏(第17組妙音寺門徒)
▲今回は新しく別院教化審議会委員に就任していただいた古俣福子氏に執筆していただきました。
初めて三条別院を訪れたのは、2020年10月の長岡地区女性研修会でした。とても大きくて 荘厳な佇まいに圧倒されました。座談会も初めてで、何を話すか分からない私にスタッフの方がいろいろ聞いてくれて、話しが出やすいようにしてくれたのを覚えています。
私が女性研修会のスタッフになるきっかけとなったのは、こんなエピソードからです。所属寺の妙音寺の坊守さんから、「一緒に京都へ行きましょう」と素敵な笑顔でお誘いいただき、それが推進員になる研修で京都は行くけれど観光は無いと後で知りがっかりしました。でも真宗の教えを学んでいくうちに、自分が数十年お寺で皆んなと唱えていた正信偈が、親鸞聖人がお作りになった偈だった事を知り、とても驚いたと同時に、もっと知りたいと思うようになりました。そこへ絶妙なタイミングで、同じ組の光照寺の坊守さんから「女性研修会っていうのがあって、そこで学習会をしているから、スタッフになればもっと学べるよ!」とお誘いくださいました。
こうして私は女性研修会のスタッフとなったのです。初めてづくしの学びの場は、とても楽しく、会の雰囲気も良く、和気あいあいとしながらも皆さんの志の高さを知り、何気ない生活の中でも教えを感じ取っている姿に衝撃を受け、私自身もその様になりたいと思いました。
あの時うちの坊守さんがお声を掛けてくれなかったら、光照寺の坊守さんが誘ってくれなかったら、女性研修会のスタッフと出会えてなかったら、ただただ生活に追われ、自分を見つめ直すこともなく生きていたと思います。
この不思議なご縁の中心に別院さんがあったのだと思います。女性研修会のスタッフとして活動していくうちに、多くのお寺の坊守さん達と出会えました。そして多くの学びに導いてもらいました。本当にありがたい事だと思います。集う場がないと何も始まらないのだと思います。
今後も別院さんに通わせていただき、良き人となれる様に、繋いでいただいたご縁を大切にしていきたいと思います。
古俣 福子氏
(第17組妙音寺門徒)
○次回の「三条別院に想う」は、
天児 匡 氏(第20組誓林寺)より
ご執筆いただきます。
次回は別院書道教室に通っていただいている天児氏より執筆いただきます。
2023年2月1日
酒場カンテツから三条別院に想う
関本 秀次郎 氏(酒場カンテツマスター)
▲今回は9月の彼岸会で精進カレーをお願いした、酒場カンテツのマスターに執筆していただきました。関本氏はYOUTUBEチャンネル「燕三条TV」等、多方面で活躍されていて、三条別院への想いをお聞きしました。
生まれも育ちも本寺小路だったもので
歩いて通えるから松葉幼稚園に
通っていましたし
遊び場はとなると、大抵、
別院だった記憶があります。
かくれんぼ、たか鬼、缶蹴りと、
昭和な遊びをしたものです。
少し大きくなると、御坊様の夜店でデートしたり、ツッパリな人にカツアゲされそうになった思い出も、あったりする。
そんな自分が、最近、三条別院さんへ仕出しをする機会が増えてきている。
精進弁当を作った事がキッカケで
古典な精進からスパイスカレーなど様々な精進料理をお届けしてきました。

板前修業時代も、ガチガチの精進料理は
作っていなかったので
一から勉強しながらの、
楽しい仕事になっています。
子供の頃から勉強が嫌いで、歴史なんて、
勿の論、教科書も開かなかったが
オッサンになるにつれて
「昔は今より新しい」と、気づき、
事あるごとに、昔を調べるようになり
親鸞聖人も、ちょっとネットで調べてみると
なかなか波乱万丈でアナーキーな人生だなーなんて思った時もあったり。
昔の料理を調べると
「煎り酒」なる、昔ながらの調味料だったり
「すり流し豆腐」の様に、
当時人気の有った料理や
「麩の焼き」なるデザートなど、、、、
調べれば調べるほどワクワクする料理がでてきて
自分で作り、食べ、
当時を思い描いて楽しんでいます。


個人的な考えですが
料理も文化も政治や争いごとなど
歴史を振り返ると、案外答えが出やすいのでは?と思う今日この頃です。
「昔は今より新しい」を胸に
この街のこと、料理のこと、
自身の商売のことなどを
昔を紐解き、楽しく生きていきたいものです。

関本 秀次郎 氏
(酒場カンテツ店主)
次回の「三条別院に想う」は、
小俣 福子 氏(第17組 妙音寺門徒)
よりご執筆いただきます
▲次号は新しく別院教化審議会委員に就任していただいた小俣氏に依頼しました。
2022年10月5日
慶讃法要三条教区お待ち受け大会に際して
山﨑 超 氏(第11組 淨福寺)
▲今回は5月の慶讃法要お待ち受け大会で司会をされた山﨑超さんにお話をお聞きします。
2022年5月29日、三条別院にて三条教区宗祖親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要お待ち受け大会が勤修されました。
初めは先輩から、お待ち受け大会の司会のお役目を指名してもらえた時には、お待ち受け大会がどんな雰囲気で開催されてるのかをよく知らなかったので特に何も考えもせず引き受けました。
そしてお待ち受け大会本番に近づくにつれ打ち合わせ会議などで出席される方々はこれまで三条別院に深く携わってきたベテランの方々ばかりで、これは絶対に失敗出来ない、と楽観的だった気持ちが一気に不安に変わりました。
お待ち受け大会前夜は新門様の歓迎会が開催されました。当日の予行練習も兼ねて歓迎会の司会もさせていただきました。職員さんに原稿を用意してもらい万全の準備をしてもらいましたが、結果は散々でした。原稿の言葉は間違えるし、言葉もスムーズに話せない。「ほんとにこの男が総合司会で大丈夫か??」と会場中に心配の雰囲気が漂い黄信号がともりました。歓迎会終了後はホテルに戻り、このままだと明日のお待ち受け大会を自分のせいで大変な事にしてしまうと危惧してホテルの部屋で総合司会の当日原稿を何度も読み返し練習しました。
そして、お待ち受け大会当日を迎えます。天気は快晴。気温も高かったです。
最初はお待ち受け大会記念植樹式が開催されました。とても暑い中でしたが植樹式担当の方々を中心に無事に植樹式を終えることができました。
そして本堂に戻りいよいよお待ち受け大会本番が始まります。
各地方から300人以上の人が集まり、本堂内は聞法を求めている方々の熱気に包まれて私はこれまでに感じたことがない緊張とプレッシャーを感じました。
自分自身も想いに応えなくてはならないと自分を奮い立たせて、そこから何とか当日の司会を無事に失敗なく終えました。
改めて総合司会を経験して感じることは、三条別院の法要はたくさんの方々の思いの結晶であり、一つのお待ち受け大会の中で沢山の方々がお待ち受け大会を成功させたいと結束していることに自分は感激しました。本当にいい経験でした。
余談ですが、自分はお待ち受け大会の翌日に東本願寺に用事があり本山の境内を歩いていると、たまたま新門様と本山でお会いする機会がありました。
「昨日の三条別院のお待ち受け大会は本当に素晴らしかったです」とお褒めの言葉をかけて頂きました。
山﨑 超 氏(第11組 淨福寺)
○次回の「三条別院に想う」は、
関本 秀次郎 氏
よりご執筆いただきます
▲次回は9月の彼岸会で精進カレーをお願いした、酒場カンテツのマスターです。YOUTUBEチャンネル「燕三条TV」等、多方面で活躍されています。三条に対する想いと、三条別院への想いを、執筆していただきます。