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三条別院|浄土真宗 真宗大谷派
三条別院|浄土真宗 真宗大谷派

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2020年8月7日

ブログ

DODALO「わたしたちにとって、本当に急ぐべき事、必要な事は何ですか?」

 

「共に不急の事を諍う」

 『大無量寿経』釈尊の仰せ/『真宗聖典』58頁

【解説及び出典】

お釈迦様のお勧めは、阿弥陀仏の極楽浄土を心にかけて生き生きと生きて行きなさいということでした①。しかし五濁増進の時にあって、我々はその言葉に耳を傾け受け止めることが出来ません②。火宅無常の世界と指摘されながら③、その危うさ、虚しさを感じることが出来ないのです。そして、まだ行ったこともなく、見てきた人もいない阿弥陀仏の極楽世界の素晴らしさをいくら説かれても、にわかに信じることが出来ません④。ここに煩悩に眼を障えられている人間の悲しさがあります。そのような我々にお釈迦様は、この娑婆世界とそこに生きる人間の愚かさを、そして無常の道理をまざまざと説き、露わにして下さいました⑤。この世界の、そしてそこに生きる人間の有り様ならば、我々にも頷くことが出来るはずです。「諸行無常」とは仏教の旗印です⑥。それはいたずらに焦りを促すというものではなく、今を大切にして欲しいというお釈迦様からの切実なる願いでした。そうです。私達の残された寿命は、砂時計の砂は、あとどれだけ残っているか、実は分からないはずなのです⑦。無常の道理を省みることなく、急がないでいいことに汲々としている⑧。それは悲しいことではないですかとお釈迦様は仰せになりました⑨。我々にとって、本当に急ぐべき事、必要な事は何ですか。今こそ、そのことをお寺に、三条別院に聞きに行きませんか。皆さんとご一緒に語らうことを楽しみにしています。

齊藤研

正樂寺(三条市)

 

 ** 註 **

①「仁者(きみ)ただ決定してこの道を尋ねて行け」とは釈尊の東岸上よりの勧めであり、目指す行く先は西岸である阿弥陀仏の極楽浄土である。「汝一心に正念にして直ちに来れ、我れよく汝を護らん」とは西岸の阿弥陀仏の喚びかけである。この二尊の意にしたがい、念仏もうし人生を生ききっていくことを親鸞聖人は明らかにされた。

②『阿弥陀経』には諸仏の仕事として、念仏衆生に対する勧信・証誠・護念・讃歎が明らかにされているが、それは五濁悪時に生きる衆生が、いかに念仏の教えを信じ難いかを反証するものである。故に『大経』には、「もしこの経を聞きて、信楽受持せること難中の難なり、これに過ぎたる難なし」と説き、また「一切世間極難信法」(『称讃浄土経』)と説かれ、親鸞聖人は、十方恒沙の諸仏は 極難信ののりをとき 五濁悪世のためにとて 証誠護念せしめたり」等と和讃に詠み込まれた。

③「火宅無常の世界」。直接には『歎異抄』「後序」に見られる文言であるが、その根拠は仏説である。『法華経』譬喩品の火宅三車の例えは特に有名であるが、大乗経典のなかで娑婆を火宅に例えたものは枚挙に暇がない。また『観経疏』二河譬にも見ることの出来る表現である。

④釈尊は『大無量寿経』上巻の途中より、極楽浄土こそ目指すべき世界であるとその素晴らしさに焦点を当てて説かれてきたが、ここ三毒段に至って一転し、「然るに世人、薄俗にして共に不急の事を諍う(『真宗聖典』五八頁)」と指摘されることとなった。「(阿弥陀仏の浄土に往き生まれなさい。真の道を求めなさい。輝く命を得ることができるのですから。)それにもかかわらず、どうして世の人々は、軽薄で俗臭くて、共に急がないでいいことを競うように必死に争っているのか」との意である。

⑤『大無量寿経』「三毒五悪段」を指す。

⑥三法印、または四法印の一つ。『涅槃経』に登場する雪山童子の聞き取った偈文が有名で、法隆寺に所蔵される玉虫厨子の壁面図柄のモチーフにもなり、古来より日本人のこころに染み入ってきた「もののあわれ」を根底から支える仏教の道理である。

⑦砂時計の下部に落ちきった砂を現在の実年齢とし、残りの寿命は時計上部にある砂の数である考えたときに、平均年齢という考え方から、残りの上部の砂の分量を推察できるように思えるが、実は出来ない。上部の砂量が隠されている状態を我々は生きているとするのが無常の感覚ではないか。

⑧不要不急の外出を控えるように呼びかけられている時勢に至って、仏教者に限らず世界人類が、本当に必要なこと、急用なこととは一体何なのかを問われていると感じる。

⑨『大無量寿経』三毒五悪段には、「如何ぞ道を求めざらん。」「哀れなるかな。甚だ傷むべし。」「痛み言うべからず。甚だ哀愍すべし。」「たとえば大火の、人の身を梵焼するがごとし。」等と悲痛の言を持って釈尊は仰せられた。この悲しみの感覚は、四門出遊の伝説として残されている世の非常を悟られた感覚や、自らの出家を留めるために開かれた大宴会における侍女達の乱痴気騒ぎに対して抱いた嫌悪感と、宴会後の朝早くに見ることになった醜悪な関係者の寝姿への感情などと同質のものである。

 


座談カード「DODALO(ドーダロー)」とは

座談。何人かが集まって、ある問題について、意見や感想を述べ合う会のことです。三条別院でも、法話を聞いた後に、座談をします。自分の考えを誰かに話してみる。他者の話に耳を傾け聞いてみる。話すことや他者の考えを聞くことを通して、自分と他者との違いを知り、自分の考えをあらためて見つめなおすことができると思います。座談の場は、他者にも自分にも出会うことのできる、とっても大切な場なんじゃないでしょうか。いつでもどこでも誰とでもが出会うことのできる座談の場が気楽に開かれていってほしい。そんなコミュニケーションツールとなるカード制作を目指しています!9月に正式版の発表を目指し、
ニシムラデザインの協力を得て
鋭意作成中です!
乞うご期待!

座談カード「DODALO」の使い方

まずは手にとってみよう!文章について考えてみよう!誰かにその考えを話してみよう!誰かの考えを聞いてみよう!法語と法話を読んでみよう!
「どうだろう」。ひとりで座談カードの文章について考えをめぐらしてみるのもよし、誰かとそれぞれの考えを話したり聞いたりするのもよしです。「正解」があるわけじゃありません。だから、その人、その人の考えや意見があっていいんです。かといって、無理に話をする必要もないし、話題が脱線したってかまわない。だとしたら、自分のおもいや、考えを話すときに大切なことって何だろう。DODALO?

集まりで使ってみる、お参りの時に持っていく、手にとってもらえるように置いておく、カードの写真を撮って自分の考えをSNSで発信してみる、などなど、この7月版の使い方は自由!こうやって使ってみるのはDODALO?試行錯誤鋭意作製中の「DODALO」です。
是非皆さんのご意見やご感想をお聞かせください。

 

追記: 7月号告知版が好評のため、今後の展開を十分に計画することになりました。

申し訳ございませんが、9月での座談カード「DODALO」の発表は延期することになりました。

ご了承くださいますようお願い申し上げます。

いましばらくお待ちください(2020年9月)

 

2020年7月30日

講演会・お知らせ

フードバンク物資お届け第一弾【報告】

お知らせしている通り、当別院では新型コロナウイルス感染症の影響で困窮家庭がさらに追い込まれている現状を受け、新潟県フードバンク連絡協議会「子どもの未来応援プロジェクト」に協力させていただいています。三条教区の御寺院方のご協力を得て物資の支援を募り、7月30日(木)に受け渡しを行いました。

たくさんの物資!

左:海岸秀道輪番
右:NPOさんじょうの小林さん

フードバンクのスタッフさんと別院職員、 そして教務所のAMAKOとMIZUNOが協力して積み込みしました!軽トラに入りきりませんでした。

ご協力いただいた方々は下記の通りです。

三条教区坊守会 第11組 淨福寺
第15組 善性寺 淨福寺 廣圓寺 本龍寺
第16組 淨專寺 存念寺 小原 暁
第17組 光照寺 第18組 重蓮寺門徒 佐藤 寛 氏
第19組 明誓寺 第23組 福明寺

そのほか、匿名含め多くの方々にご協力いただきました。篤く御礼申し上げます。
今後も8月末9月末を引き取り日として、継続してフードバンクの支援を行う予定です。
引き続きご協力のほど、よろしくお願いいたします。

2020年7月2日

三条別院に想う

首都圏は今
(東京教区横浜組西教寺副住職 伊藤 大信 氏)

▲緊急事態宣言が解除された東京でも、6月26日現在で毎日50人近くの感染者がでており、人々の生活は変化を余儀なくされています。2018年秋彼岸会で講師を勤められ、首都圏開教についてお話しいただいた伊藤大信氏(東京教区横浜組)に、現在の首都圏と寺院の様子、直面している課題や教化方法の変化などをお話しいただきます。また、横浜といえば「ダイヤモンド・プリンセス号」が停泊した港があります。


真宗大谷派宗門は、7月1日、大谷暢顯(釋淨如)門首にかわり、新たに大谷暢裕(釋修如)門首をお迎えいたしました。この慶事に遇えましたこと、宗門の一人として、大変有難く思います。

さて、新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちがこれまで当たり前と(勘違い)してきた日暮らしを大きく揺さぶりました。中国の武漢市で原因不明の肺炎患者が確認されたのが昨年12月、日本国内で初めて感染者が確認されたのが1月、この頃の私たちは対岸の火事と言いますか、全容が分からず、特に危機の実感がありませんでした。そして「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客乗員を横浜港で船上にて隔離し始めたのが2月初旬、この頃ようやく少しだけ問題の大きさを感じ始めたと思います。未だ半年にも満たないのに、いろいろなことがありました。以下、横浜に住まう者が、6月24日現在にて思うことを述べていきます。

まず、現在の首都圏です。収束の見通しの立たない中ですが、すでに人びとの警戒心はかなり薄れ、注意力も散漫になってきたと私の目には映ります。マスクを着用することはすっかり一般化しましたから、ほとんどの人が着けています。しかし、良し悪しは論じませんが、移動交流・経済活動はコロナ前にほぼ戻りました。「自粛疲れ」という言葉も、みなさん御存知のことでしょう。(ちなみに、バー好き・酒好きの私ですが、3月27日を最後に未だ飲み歩いていません。偉い!)

次に、お寺の様子です。三条教区も東京教区も広範ですので一概には言えませんが、東京教区の横浜は月忌参りの習慣がほぼありません。拙寺は北陸出身と関西出身のお宅の2軒だけが月忌の御縁です。そちらへの訪問もひととき控えました。また、横浜では御法事は、御門徒宅のお内仏においてはほぼなく、99%以上を寺の本堂で勤めます。しかし広い本堂で勤めるにもかかわらず、御法事はおおかた中止・延期となりました。本堂の空間が広くても、そもそも御家族・御親戚が自宅から寺まで行く自家用車や公共交通が密接・密閉となるためです。さて、そのような本堂の活用としてですが、友人のお寺は、学校・幼稚園などが休校・休園となり、学習施設や娯楽施設まで閉鎖されて、自宅で鬱屈している子供たちのために、本堂を開放していました。換気・除菌をこまめにするなどの配慮をしてお迎えし、自由に過ごしてもらったそうです。

最後に、教化の新しい試みとして、多くの組織・個人が法話をインターネット配信していますが、突出の一人として、東京都中野区の願正寺住職竹川英紀さんがおられます。「浄土真宗法話配信有志の会」を立ち上げ「浄土真宗Live」を展開、先日は三条市正楽寺当院齊藤研さんが法話に立たれ、開催には小千谷市淨照寺当院小林智光さんに尽力いただきました。

以上、あらあらと述べました。仏教、ことに浄土真宗は「お聴聞」に尽きます。「お説教」をいただくことが肝要です。状況はどうあれ、身を運べるならば身を運び、インターネット配信ならば画面上にて、ともどもに聴聞させていただきましょう。今秋また、三条別院のお取り越し報恩講に参詣したいと念じております。

合 掌

伊藤 大信 氏
(東京教区横浜組西教寺副住職 東京教区教化委員会同朋の会推進部門委員)


○次回の「三条別院に想う」は

石橋 昭尚 氏(二洲楼)

よりご執筆いただきます。

2020年7月2日

講演会・お知らせ

オンライン書道教室(東友会)、継続中

以前の記事より、書道教室を郵送とWEB指導を組み合わせての在宅指導で行っています。
7月以降も在宅指導の形式で継続して開催いたします。
多忙により休会中の方や、新しく書道を学びたいという方も参加可能です。
集まっての習い事が難しい今、オンラインで書道をともに学びませんか?

2020年6月29日

別院だより・三条教区通信

三条別院たより・三条教区通信7月号をお届けします

『三条別院たより』7月号・『三条教区通信』第154号をどうぞご覧ください。

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