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三条別院|浄土真宗 真宗大谷派
三条別院|浄土真宗 真宗大谷派

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2020年2月23日

「『歎異抄』に聞く」を聞く

廣河に代わり小原が「『歎異抄』に聞く」を聞く-「第六章」-

12月28日(土)、三条別院では宗祖御命日日中法要が勤まりました。

その後の御命日のつどいでは、『歎異抄』をテーマに、序文から順にご法話を頂いています。

今回は三条教区第11組長福寺(新潟県長岡市)の北島栄誠氏に、『歎異抄』「第六章」を主題にご法話頂きました。

タイトルをご覧になってお気づきの通り、今回は廣河が法務の為不在だったので、代わりに小原が「『歎異抄』に聞く」を聞いてまいりました。

長福寺、北島栄誠氏。教区内の教化委員や三条別院の報恩講実行委員に携われるなど、多岐にわたって活躍されております。

『歎異抄』「第六章」原文

-専修念仏のともがらの、わが弟子ひとの弟子、という相論のそうろうらんこと、もってのほかの子細なり。

親鸞は弟子一人ももたずそうろう。そのゆえは、わがはからいにて、ひとに念仏をもうさせそうらわばこそ、弟子にてもそうらわめ。ひとえに弥陀の御もよおしにあずかって、念仏もうしそうろうひとを、わが弟子ともうすこと、きわめたる荒涼のことなり。

つぐべき縁あればともない、はなるべき縁あれば、はなるることのあるをも、師をそむきて、ひとにつれて念仏すれば、往生すべからざるものなりなんどいうこと、不可説なり。如来よりたまわりたる信心を、わがものがおに、とりかえさんともうすにや。かえすがえすもあるべからざることなり。

自然のことわりにあいかなわば、仏恩をもしり、また師の恩をもしるべきなりと云々

現代語訳

本願他力の念仏を信奉する人びとの中で、自分の弟子だ、ひとの弟子だという争いがあるのは、もってのほかのことである。

私(親鸞)は、弟子を一人ももたない。というのは、私の工夫や努力で、ひとの「本願を信ずるこころ」を起こさせることができるならば、自分の弟子であるということもできるであろう。しかし、本願力のはたらきに促されて、本願を信ずることができたひとを、自分の弟子であるということは、とんでもないこころえ違いである。

出会うべき縁があればともに歩み、別れるべき縁があれば、別れていくこともある。そうであるのに、師に背いて、他のひとつについて念仏の教えを受けるのであれば、本願の救いを得られないなどということは、まったくの見当違いである。無限大悲に育てられ目覚めたこころを、個人的な所有物でもあるかのように、取り返そうとでもいうのであろうか。どう考えても、断じてあってはならないことである。

人間のはからいを超えた、如来の本願の大いなるはたらきとひとつになるならば、如来の恩を知ることができ、また師の恩をも頷くことができるのである。

 

【聞く】

北島氏は、第6章の文をご自身の今の生活に照らし合わせてお話しされました。今のお寺に入って今年で10年目だそうで、お寺のご門徒さんから「いい寺になった」と言われるそうです。(当日もお寺ではご門徒さんを中心に餅つきが行われていました。)しかし、年間一件ほど「檀家を辞めたい」と言ってくるご門徒さんがいるそうです。「こっちは頑張ってやっているのに」と思っても、引き止めようにもその方は覚悟を持って来るので引き止められないと言います。

そのことが、冒頭の「わが弟子ひとの弟子」という一文に通じるところがあるといいます。人間にはどうしても我執(自分のモノという執着)があるから、「私の弟子」という所有の意識は拭えません。親鸞は、人間関係は徹底して縁が織りなすという認識があります。そのことが、原文にある「つぐべき縁あればともない、はなるべき縁あれば、はなるることのあるをも」に表れているのだと思います。

仏法を聞く、仏法に遇うことはお手次寺に限らずどこでもできます。(三条別院には直参門徒はいませんが御命日のつどい、定例法話等に沢山の方が来られます。)ご門徒さんを自分のモノと執着せず、本当に仏の教えに遇って欲しいということを「わが弟子ひとの弟子…」という一文に教えられたそうです。かくいう私も「門徒(檀家)がいなければやっていけない、辞めたいなんてとんでもない」と思いましたが、話を聞いて私自身気付かなかった私の中の我執が照らし出された、そんな風に思いました。

続いて、原文中の「弟子一人ももたず」について、親鸞聖人はご自身も弟子であるということを表現しているのではないかということでした。では誰の弟子かというと、仏の弟子(仏弟子)なのです。私たち真宗門徒は仏法を聞く名告りとして「法名」を授かります。よく似たものに「戒名」があります。「戒名」は五戒(殺生しない、盗まない、嘘をつかない、お酒を飲まない、イチャイチャしない)という戒律を守っていくという名告りなのですが、それに対して、その戒律を守れない、愚かな人間であるという自覚をもって名告るのが「法名」です。そういう生き方の中で、お釈迦さまから「釈」の字を一字いただいて仏弟子の名告りとするのです。上記の五戒を守ることができる、と言い切れる人というのはそういないはずです。私たちは「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし」と『歎異抄』13章にあるように、縁があれば何でもしてしまう、それこそ縁があれば人殺ししてしまう可能性のある、「約束の守れない」私たちが救われていく道として、仏法を聞き、念仏もうす名告りとして法名をいただくわけです。私も法名をいただいてますが、自分が愚かな人間であるという自覚があるのか、仏法を聴聞し念仏もうす生活をしているのか、あらためて考えさせられる機会になりました。

さて、次回の「『歎異抄』聞く」第7章ですが…なんと、私小原が話させていただくことになりました(!?)私なんかで大丈夫なのか…不安はありますが、これも仏法を聴聞するいいご縁と思って頑張ります!

 

2020年2月21日

ブログ 三条別院に想う

「鍛冶ガール」について三条マルシェ実行委員に執筆してもらいました!

【三条別院に想う】鈴木千博氏(三条マルシェ実行委員)

昔、よく散歩したり走りまわったりしてたな

昔、裏山があったよな

三条マルシェに携わる様になってから、昔みたいによく訪れる様になりました

すごく懐かしく感じています

 

この街の中心にある別院さん

時代は変わっても三条の中心から、街全体を見守るかのようにそこにいてくれていますね

色んな時代を見てきたんだと思います

別院さん、もしこの街の今とはちょっと違った風景が見れたらどうですか?

もし、昔見ていたような懐かしい風景も

また見れるかもしれないとなったらワクワクしませんか?

 

私は【鍛冶ガール】という2次元キャラを、多くの方々と共にこの街に誕生させました

もしかしたらその鍛冶ガールが、そんな風景を見せてくれるかもしれません

別院さん、その時は鍛冶ガールが別院さんの敷地内を散歩したり走りまわったり

するかもしれませんが、その時は許してあげてください

そして、この街のちょっと違った風景をニコニコしながら見守ってください

 

この街を、今よりも元気で面白い街にしていきたいと想います

昔走りまわっていた別院さんの敷地内で、そう想います

中央が鈴木氏。それを囲むイベント班を中心とした三条マルシェ実行委員たち。

 

【「鍛冶ガール」に想う】

三条別院の職員として私が町おこしをしたいと思うのは、別院周辺の本寺小路や中央商店街や一ノ木戸商店街がふたたび賑わえば、三条別院への参詣者が増え、仏教を聞いてもらうきっかけになれればという理由である。この「町おこしをしたい」という理由は、中小企業であれば経済を活性化したいということや、過疎などに伴う人口流出の加速などの深刻な問題や、実生活における不便(スーパーマーケットや病院など)の問題や、あるいは仲間を増やしたい、あるいは自己実現の場としたいということだったり、自分たちの町を自分たちで作るという意識であったり、さまざまであると思われる。さて、今回の主題の「三条マルシェ」であるが、三条別院も年に1回程度会場となるということで、実行委員としても参加させていただいている(出席率は悪いが別院開催の時の会議はなるべく出席している)。その良さは三条市民みずからによる実行委員制で、やけに頻度が多いことや、それに伴う気軽さや敷居の低さであるといえよう。そこには多種多様な町おこしの動機達が集まってくる。今回三条市体育文化会館のリニューアルイベントで三条マルシェが行われた際には、三十路をはるかに越えたおじさんたちが「萌え」で町おこしをしたいということで(「萌えおこし」というのはもはや現代用語になっているという…)、鈴木氏をはじめとした委員の懸命の働きかけで、「鍛冶ガール」というキャラクターが短期間で誕生した(それを私は横で見ていた)。短期間に委員間で多量のやりとりがありすぎて私はマルシェのグループラインの通知をオフにしたくらいである。今後は映画化などを目指しているというが、このような過剰な情熱を敷居を低く受け入れる土壌が三条マルシェにはあるということが良いところである。今回発案者のイベント班の鈴木さんから原稿を書いてもらい、認知度が高まる前に「青田買い」したので、ゆくゆくはこの記事の価値が出るかもしれない。あるいは星くずとなって消えるかもしれない。しかし、お寺は敷居が高いと言われることもある昨今、このような取り組みに学ぶことがあるように思う。

(斎木)

【リンク(更なる詳細)】

ケンオードットコムのマルシェの記事

鈴木氏のブログ

2020年2月21日

講演会・お知らせ

【お斎・法話は中止・内勤め】2020年三条別院春彼岸会のご案内

【新型コロナウイルス感染症の対応として春彼岸会の法話・お斎を中止させていただきます。法要は職員での内勤めとさせていただきます】

2020年2月19日

ブログ

定例法話「釈尊伝」がはじまりました!

■定例法話「釈尊伝」報告

2月13日(木)午後1時30分から2時30分

定例法話 仏教入門講座―釈尊伝―

講師 富沢慶栄氏(新潟市西堀超願寺、三条真宗学院指導〔仏教〕)

企画委員長の木村邦和氏から「新潟県内では一般の方々対象の真宗や仏教の講座がいまやほとんど無い」ということで、このたび別院の定例法話で「釈尊伝」の講義を行うことになりました。

古代インドに王子として生まれた釈尊は、何に悩み、何を考え、何を悟ったのか? 仏教はじまりとその中心思想を、釈尊の生涯を通して全三回でお話しいただく。

このことをチラシに掲げさせていただきました。

別院所蔵の釈迦苦行像とともにお話しいただく富沢慶栄氏。

【講義内容抜書】

まずはじめに、富沢氏は釈尊は実在の人物であり、1868年ドイツ人考古学者のフューラーが、ルンビニーでアショーカ王(インド最初の統一王朝マウリヤ朝の3代目)の法勅の石柱を発掘したことから、その実在と生没年代の推定が確かになったことが話された。ルンビニーの地図も確認した。

⇒なるほど釈尊が実在か否かという問題もかつては存在していたのですね…

 

そして釈尊が兜率天から白象に乗って摩耶夫人の胎内に入り、右脇から誕生し、七歩歩まれて「天上天下唯我独尊」と言われた、と語られたことの意味について、特に「右脇」ということで話された。

⇒インドの象徴的な表現は荒唐無稽に聞こえますが…

 

古代インドでは、アーリア人が先住民族を戦争によって破ることで、先住民族はスードラ(奴隷)、チャンダーラ(アウト・カースト、不可触選民)という位置づけとなり、アーリア人たちは支配者を中心に司祭を行うので、バラモン(司祭者)、クシャトリア(王族・貴族)、ヴァイシャ(商人・農民)と別れ、「バラモンは頭から生まれ、クシャトリアは脇から生まれ、ヴァイシャは腹から生まれ、スードラ・チャンダーラは足から生まれる」といういわれができたと解説された。右脇とは釈尊がクシャトリアの生まれであったことと関係するという。そして生まれて七歩歩むというのは、地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天の六道を超えるということと説明された。

⇒カースト制度が、戦争の勝者により作られたものであるということは考えさせられます。

超願寺所蔵の釈尊の入滅を描いた涅槃図。

【次回以降の予定】

今回は、釈尊の生涯を8つのすがたでまとめる「八相成道(はっそうじょうどう)」という考えがあり、それは「降兜率・託胎・降誕・出家・降魔・成道・転法輪・入滅」であるが、今回は「降兜率・託胎・降誕」までで、次回以降に後の5つをお話しいただきます。

今回は盛況で50名近い参詣者があった。

涅槃図の描かれる人物や動物の意味を別院職員に尋ねる参詣者たち。

【職員雑感】

4月8日の釈尊の誕生日を縁とし、三条別院では子ども奉仕団で「お誕生法要」を勤め、三条市仏教会では毎年5月の第二土曜日に花まつりを行い、白象を引いて市内を練り歩きますくなど釈尊の誕生は意外に身近です。浄土真宗の聖典である『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』も、大乗経典ではありますが、釈尊が説いた経であるという前提で書かれています。大乗経典は釈尊滅後につくられたという歴史的な視点と、それでも大乗経典は釈尊の直説であるという宗教的な視点は、私たちに「仏とは何なのか」ということを問いかけてきます。宗教的・象徴的な表現を読み解き、史実にあたる今回の講義「釈尊伝」を通して、あらためて現実に生きた釈尊に触れてみたいと思います。ぜひみなさんも第2回に参加してみてください。そして春彼岸には三条スパイス研究所と協力した精進弁当「釈迦礼弁当」もあります!

 

2020年2月19日

講演会・お知らせ

3/16教区女性研修会の延期について

前にご案内しました教区女性研修会(2020/3/16開催)は、新型コロナウィルスにかかる現在の国内状況に鑑み、延期することにいたしました。

 

もとより、この女性研修会は、住職・坊守・推進員・門徒のご協力のもと、参加のお誘い合わせから当日の開催まで、皆さまの懇ろな関係により成り立っている研修会であります。

それゆえ、現在の国内状況は既に、お誘い合わせをしていただける状況ではないと判断しました。

 

状況の終息目途はまだ見えませんが、現段階では6月に延期開催する準備を行っています。

決定次第、あらためてご案内いたしますので、どうかご理解くださり、またのご参加・お誘い合わせをお願いいたします。

 

真宗大谷派三条教区教化委員会

女性研修会部門

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