どんな日も、どんな時代も、そばにある。

三条別院|浄土真宗 真宗大谷派
三条別院|浄土真宗 真宗大谷派

ブログ

結の会のつどい 開催報告

開催日:2023年3月10日(金)

講 師:佐賀枝 夏文 氏(大谷大学名誉教授・元高倉幼稚園園長)

会 場:三条別院 旧御堂 (ZOOMによるオンライン参加も可)

講 題:「人生の物語 ~先輩たちが子どもたちに伝えた世界~」

報 告:松原 典子(第17組 慶応寺・結の会実行委員)

「結の会」研修会に参加して

2023年3月10日に「結の会のつどい」が開催されました。

ご講師は大谷大学名誉教授で元高倉幼稚園園長の佐賀枝夏文先生です。『人生の物語 ~先輩たちが子どもたちに伝えた世界~』という講題のもと、先生の「サガエさんです」という穏やかな自己紹介から始まりました。今回私はZOOMで参加しましたが、画面越しにも会場の和やかな雰囲気が伝わり、先生も終始会場の雰囲気が良いと仰っていました。

はじめに“人生の物語”ということで、先生ご自身のこれまでの生い立ちでの苦労や葛藤等をご紹介され、人生を“起承転結”に例えてお話しされました。次に、“先輩たちが子どもたちに伝えた世界”ということで、明治期、大正期と真宗大谷派の慈善活動や児童と宗教に関する歴史を振り返ってお話しいただきました。

講義の様子

ご自身の園長時代、先生が他の職員の方々に園長がうまくできなくて謝った時のお話もされ、その時「サガエさんが居てくれるだけで良い」と言ってもらえたことが嬉しく、それから園で過ごす時間が愛おしく感じたと仰いました。人は、ジグソーパズルの真ん中の絵の描かれたテーマ(主役)になりたがるが、端の模様の無い部分でもそのピースが無いとパズルは完成しない、「役割を果たせないからといって、いらない人はいないのだ」とその時わかったとお話しくださいました。

座談会後のまとめの講義では、「子どもにナムアミダブツって何?と聞かれたら先生はなんと答えますか」との質問がありました。先生は「そんな風に訊いてくれたことがまず嬉しいと伝える」とのことでした。そして、答えない、一緒に考えると仰いました。答えたことが答えではない、一緒に自分の中で求めていること、言葉になることを探してみる、一緒にお参りする、まずは座って手を合わせてナムアミダブツから始めましょう、とのことでした。人生の長い間、共に問い続けることが大事とのことです。

各班別座談の様子

結の会として先生に依頼させていただいた際「なぜ生きるのはつらく、苦しいのか」というテーマでもお願いしていました。先生はそのテーマに共感され、モヤモヤやイライラ、怒りの感情のお話をされました。怒りは、自分の心を守るための防衛であり、その怒りの元を消すのが今の時代の通念だが、消すのではなく、元の理由を考えるべきとのことでした。怒っている人がいたら、逃げずに共に立ってあげる、答えるのが答えではない、後追いでしか答えは出てこない、まずは聞いてあげる、笑顔でまずは「聞かせて?」と伝えることが大事とのことでした。自身の怒りの感情については、頭で考える「意識の世界」と「感情の世界」は別のもので、感情は大きな力を持つので、コントロールができない、とのことでした。生きていくコツは考えないこと。受け入れられなかったり、スルー出来ないから悩む、何とかしようとしない、しようとするから苦しい。哀しみは哀しみとして居場所を置いて、降参したらいいとお話しされたのが印象的でした。

最後に、「休む時に『ああ幸せ』と思って寝ましょうね、あたたかな気持ちで寝ましょう」と仰っていた先生のにこにことした穏やかなお顔に、参加者全員が和み癒されたかと思います。

講師の佐賀枝夏文先生と結の会実行委員の皆さん

全体を通して、先生の相手に寄り添う姿勢に感銘を受けました。答えることが答えではなく、共にあること、一緒に考えることが大事だということ、子どもやご門徒の皆様との向き合い方として、深く心を打たれました。

今回の研修を受け、「結の会」は今後もいろんな立場の方が参加しやすいよう、相手に寄り添った研修会を企画していけたらと思っています。お寺の研修会の第一歩として、『結の会』にどうぞご参加ください。共に考え、学んでいけたらと思います。

結の会では公式LINEを開設しております。詳細はこちら → 結の会LINE

結の会実行委員募集中、詳細はこちら  結の会実行委員募集

トップへ戻る