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三条別院|浄土真宗 真宗大谷派
三条別院|浄土真宗 真宗大谷派

三条別院に想う

スパイスの醍醐味
加藤 功 氏(三条スパイス研究所)

▲3月19日に春彼岸会が勤められ、今年もオリジナル精進カレー「釈迦礼弁当」が提供されました。三条スパイス研究所の加藤さんより、精進カレーならではの工夫を含めて、三条別院への想いを執筆していただきました。


 三条スパイス研究所も今年で7年目を迎え、2018年から三条別院様よりご注文頂いている釈迦礼弁当も、コロナ禍による2020年を除き5回目となりました。仏教由来の精進料理を基本としまして、動物性の食材を使用せず、野菜や穀物等の植物性の食材で献立したお弁当です。春彼岸会の法要後の御斎としてご用命いただき、毎年楽しみにされているというお声を嬉しく思います。季節は初春ということもあり、蕗の薹などの山菜やこの時期旬をむかえる食材を多用し、料理を楽しむ上での五味(塩味、甘味、苦味、酸味、旨味)のバランスを意識しつつ、食材そのものが持つ味の個性と三条スパイス研究所ならではのスパイスとの相性を楽しんで頂けたら幸いです。

 さて、スパイスというと「辛い」というイメージが先行してしまいがちですが、スパイスにも辛いだけではない、胡麻に似たスパイスもあったりと、日本人に馴染みのある和食にも合うスパイスはたくさんあり、今回のお弁当にも使用しております。さて、スパイスの使い方? と疑問に思われる方も多くいらっしゃると思いますが、ホールスパイスという多くは種子の形をした原形を油で熱し、深い香味を出す方法や、粉状にして卓上スパイスの様な瞬間的な香りを楽しんだり、数種類のスパイスを混ぜ合わせて肉や魚の切り身等に揉み込んだりと様々です。スパイスを使用した場合の味の構成としては主となる食材の栽培方法と類似した要素のあるスパイスを掛け合わせます。

 例としては、土に根を生やしたじゃがいも等の根菜には同じ栽培方法により収穫されるターメリック(日本名:ウコン)と相性が良かったりという具合に、環境下が似た食材同士で調理すると美味しく仕上がります。前述の通り、基本的には似たもの同士を組み合わせると上手く行くのですが、料理の面白さといいますか、スパイスの魅力は未知の組み合わせを試してみるのも楽しみの一つです。

 店名にもある通り日々新しいスパイスの組み合わせも研究しております。3月中旬よりコロナ禍でのマスク着用の緩和が少しずつではありますがはじまり、近場や遠方へのお出かけをご予定の方もいらっしゃると思います。お近くにお越しの際は是非お立ち寄りいただけますと幸いです。

釈迦礼弁当

 加藤 功 氏(三条スパイス研究所)


○次回の「三条別院に想う」は、

    松木 祐子 氏(第24組 專明寺)

よりご執筆いただきます

▲次号は、今年3月に三条真宗学院を卒業された松木氏にご執筆いただきます。

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