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三条別院|浄土真宗 真宗大谷派
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教区坊守研修会 開催報告

開催日 2022年9月16日(金)

講 師 梅澤 未有 氏 (高田教区第1組光照寺)

テーマ 「私の話 死にたいと言われたら」

報 告 藤岡 慶子(佐渡組 淨願寺・教区坊守会役員)

 

最初に、梅澤先生の生い立ちのお話から始まりました。梅澤先生のお母さんは、「死にたい、死にたい」と話す躁うつ病の患者さんでした。今から四、五十年前は精神科しかなくて、今のような進んだ医療は受けられなかったそうです。そのため梅澤先生と妹さんは、お母さんから虐待を受けていたそうです。毎朝トラブルがあり、学校へも遅刻寸前に通ったそうです。聞いていても、胸が痛くなるようなお話でした。梅澤先生が成人してから、お母さんは自殺してしまい、立派な遺言が残されたそうです。お母さんとのこのような関係がある中で、現在お寺でたとえば、自殺した人のご家族に、ただ、「たいへんでしたね。」というだけでは、いやだという思いがあるそうです。

 

講師の梅澤未有先生

 

次に、厚生労働省の日本自殺統計をもとに話されました。バブル崩壊頃には、三万人になり高止まり、2006年自殺対策防止基本法ができ、2016年頃から下がり、2012年には二万人に下がった。自殺予防週間もでき、令和二年になると、男性の自殺率が下がった。女性がやや上がっているのが見落とせない。自殺の原因は、イジメ、パワハラ、その他。死にたいとは、死にたいくらいつらいということで、本当はいきたい。

死にたいと悩みを相談されたら、

①評価せず話を聞く

②全部受け入れる

③無理ないよねとよりそう

④近くに助けてくれる人がいるかどうか聞く

ことが大切。

 

講義の様子

 

自殺遺族に寄り添う仏教が求められている。「苦」をケアすることが大切。グリーフケアのワークショップがある。

座談後のまとめの講義では、自分が遺族のケアをすることによって、梅澤先生自身もケアをうけたいと学んでいった。親鸞聖人は、浄土にいけると言っている。仏教では、自殺はいけないと言っていない。自殺は社会の問題。

自殺を苦しんでいる人、遺族の方の苦しみも身近に多くある。お寺のケアを学んでいくことの大切さを思いました。

 

 

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