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三条別院|浄土真宗 真宗大谷派
三条別院|浄土真宗 真宗大谷派

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初歩の篆刻教室【解説編】

初歩の篆刻教室(2021年4月7日開催)の資料のより詳細な解説です。

文字解読 木原光威先生(三条別院書道教室「東友会」指導)
2017年から秋彼岸会に別院所蔵の軸物の御虫干し展を行っており、その際に解読を依頼しました。

〇南条文雄書


滄溟水碧暁烟収
片片風帆如白鴎
万里帰人先著眼
青山一帯是常州
太平洋舟中〇詩 碩果(南条文雄の雅号)文

南条文雄(1849-1927)
真宗大谷派の学僧・梵語学者。岐阜県生。幼名は恪丸・恪順。渡英してマクス=ミュラーに師事。仏教原典研究に先駆的業績を残し、梵学の基礎を開く。東京大学でサンスクリット語を指導し、大谷大学学長を務める。

引首印 「為法不為身」

白文 「南条文雄」 朱文 「碩果」

〇彰如上人(句仏)書

涅槃之城以信為能入
明治庚戌錫杖記念
愚峰
※明治庚戌は1909(明治42)年。愚峰は雅号。

彰如上人(1875—1943)は東本願寺第23代大谷光演。俳号は「句仏」。1900年まで南条文雄・村上専精・井上円了らについて修学。また幸野楳嶺や竹内栖鳳に日本画を学び、さらに正岡子規の影響を受け、『ホトトギス』誌にて河東碧梧桐、高浜虚子らに選評してもらい、彼らに傾倒して師と仰いだ。後に『ホトトギス』誌の影響から脱し独自の道を歩む。生涯に多くの俳句(約2万句)を残し、文化人としての才能を発揮、日本俳壇界に独自の境地を開いた。

引首印 「作醫王想」

白文 「光演長寿」 朱文 「彰如」

〇東久世伯書

たちば(者)なの この実のか(可)ほ(本)り(利)たかき(起)こそ(所)
ははこ(曽)の陰の(乃)まも(母)り(里)なり(李)け(介)れ(麗)
詠史    正二位通禧
※詠史とは歴史上の出来事や人物を主題として詩歌をつくること。

東久世 通禧(ひがしくぜ みちとみ)(1834—1912)日本の江戸時代末期から明治時代にかけての公家、政治家。七卿落ちで長州に逃れた尊王攘夷派公卿の1人。王政復古後は外国事務総督を務め、発足したばかりの新政府の外交折衝にあたる。神奈川府知事、開拓長官、侍従長などの要職を歴任し、後に貴族院副議長・枢密院副議長に至った。華族(伯爵)。

白文 陰刻回印 「源通禧章」

〇金澤翔子書/玉川堂駒札

「金澤翔子」「玉川堂」

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