2017年5月24日
【報恩講さんぽ】ご門徒が積極的に参加する報恩講。〜榮行寺(十日町市)〜
みなさま、ごめんください。三条教区駐在教導の藤波です。
2017年5月9日(火)、第24組榮行寺様の報恩講に参詣しました。
「ご苦労さま」の声
到着すると、お庫裏の軒先で、お斎にふるまわれる山菜の下ごしらえが始まっていました。
参詣に来られた方々も軒先に立ち寄り、「ご苦労さまですね」と声をかけ合っています。お斎の当番が3地区に分かれ、毎年交代でお斎の調理や準備にあたられているとのこと。参詣者がお勝手の方たちに労をねぎらって本堂へ向かう姿からは、準備をされる方とお参りされる方の敬いの心が感じられました。
午前10時、榮行寺の報恩講は法話から始まりました。本浄寺の府越義博(ふごしぎはく)氏による節談説教で、笑いあり、涙ありのお説教に、参詣のみなさまは頭を垂れて聞き入っていました。
午前11時からの勤行では組内全寺院・親戚寺院が出仕され、次第は正信偈真四句目下げ、念讚五濁、彌陀大悲の誓願を(次第6首)、回向「願以此功徳」でした。勤行本が配られ、本堂に同朋唱和の声が高らかに響き渡りました。
色とりどりの食材を使ったお斎
続いてはお斎の時間。男性のご門徒が中心となってお斎やテーブルが運ばれ、手際よく準備が進められました。聞いてみると、当番はお勝手の女性だけでなく、男性も準備に加わり、積極的に働かれているとのことでした。
山菜や春ならではの食材を中心に、色とりどりに調理されたお斎はとてもおいしかったです。昔は器に一品一品盛り付けていましたが、近年になって使い捨ての折箱に変更したそうです。折箱の利点は、お持ち帰りが楽なこと。せっかくのお料理の無駄をなくすのにも一役かっているとお聞きしました。また、お斎の他にも参詣者お一人お一人に参拝起念品としての御箸(八藤紋の柄付き)と、お供物の落雁がお土産に配られました。
今回印象に残ったのは、ご門徒が積極的に働かれている姿です。ともすると近年の報恩講は住職・坊守が忙しく働き、ご門徒がお客さんになりがちだとも言われますが、榮行寺の報恩講では司会進行なども門徒が担当され、お勝手・調理、テーブル運びや配膳、そして参詣の方々と、皆それぞれにお役目があり、ご門徒が積極的に動かれている姿に、報恩講をお勤めする姿勢について改めて考えさせられました。