浄土真宗の一年
一年の始まりに
修正会
(しゅうしょうえ・お正月)
元旦から三日あるいは五日間を「修正会」と言います。新しい年の始まりに、初々しい気持ちでお念仏を唱えてみましょう。
お荘厳
年末中にすみずみまで丁寧に掃除を済ませてからお飾りをします。ご本尊前の上卓、前卓に打敷をかけ、前卓のお花は若松の真に梅、南天、寒菊などを適宜挿し交ぜます。上卓の華瓶には樒を挿します。またお正月だけは鏡もちを「折敷」に白紙(杉原紙など)を敷いて備えます。勤行(おつとめ)の前に土香炉に線香を適切な長さに折って火を点じ横にして、朱(または白)のろうそくをともし、金香炉に焼香して合掌します。
春・秋
彼岸会
(ひがんえ・春のお彼岸)
日本では春分と秋分の日を中日として、前後の3日を含め一週間かけて行われる法会を「彼岸会」といい、お寺やお墓に参り、または僧侶による読経、法話などの仏事を古くからおこなってきました。その起源は古く、聖徳太子がいた頃ともいわれています。年に二度の昼夜の時間が同じ時に、日常生活を反省し仏道修行にはげむ機会とされてきました。
お荘厳
夏
盂蘭盆会
(うらぼんえ・お盆)
地方により違いがありますが7月13日~16日、または8月13日~16日の四日間が盆の仏事の期間になります。孟蘭盆会とは本来、お釈迦様の弟子であった目連尊者(もくれんそんじゃ)の親を思う孝順心をたどる物語です。父母や先祖を思い出し、供養をするということがこの行事の趣旨なのですが、今日ではそのことに非仏教的な迷信が付け加えられていることも。親や先租のご恩をしのびつつ、人として命をいただいき、生きていることへの感謝や、お念仏を唱えたり、聞くための大切な機会としたいものです。
お荘厳
お盆の前日、お内仏の掃除、仏具のお磨きをし、代々の法名軸をすべてお掛けします。打敷を上卓と前卓に掛け、お花は槙などの木を真にして季節の花を挿し交ぜて立て替えます。お華束は彼岸会と同じく供笥に杉盛を一対お供えします。勤行(おつとめ)の前に土香炉に線香を適切な長さに折って火を点じ横にして、朱(または白)のろうそくをともし、金香炉に焼香して合掌します。
秋
報恩講
(ほうおんこう・お取越・お引上)
「報恩講」は浄土真宗の一大イベント。開祖・親鸞聖人のご命日(11月28日)を中心にして行われる仏事です。本山の東本願寺では毎年11月21日〜28日までの8日間のあいだ、全国でも「お取越」「お引上」と呼ばれ本山とは別の日に行われます。またご門徒の家においても大切に勤められてきた仏事でもあります。親鸞聖人をしのび、共に仏法を聞いて語り合いながら、生きていくなかで受けてきたたくさんの「恩」に「報いる」ことに思いを馳せる大切なひとときです。
お荘厳
当日までにお内仏の掃除と仏具のお磨きを済ませておきます。打敷を上卓と前卓に掛け、お花は松の真などに季節の花を挿し交ぜます。なお五具足(花瓶一対、燭台一対)であれば正式です。お華束は供笥に杉盛を備えますが、丁寧にすれば金供笥に須弥盛を備えます。須弥盛とは白餅に紅、藍の色をつけたものを須弥形に盛ったものをいいます。そして左右の輪灯の上に瓔珞を吊ります。瓔珞は報恩講などの特に重い法要の時に用います。勤行(おつとめ)の前に土香炉に線香を適切な長さに折って火を点じ横にして、朱の出来れば「いかり型」のろうそくをともし、金香炉に焼香して合掌します。