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三条別院|浄土真宗 真宗大谷派
三条別院|浄土真宗 真宗大谷派

三条別院に想う

フードバンクの試み
(新潟県フードバンク連絡協議会事務局長 小林 淳 氏)

▲新型コロナウイルス感染症の影響で、経済的・社会的困窮により日常生活が失われたひとり親家庭に、6月から県内フードバンクが連携をして支援を始めました。三条別院でも7月・8月・9月と3ヵ月にわたり、教区内寺院の協力を得て物資を集めてまいり、来年3月まで期間を延長することも決定致しました。今回は、県フードバンク連絡協議会事務局長の小林 淳 氏に、長期化する新型コロナウイルス感染症の困窮家庭への影響の実際と、フードバンク事業の必要性等について執筆していただいています。


三条別院様におかれましては、日頃より当会の活動に多大なるご支援を賜り、この場をお借りし改めて厚く御礼申し上げます。

さて、今年3月以降の新型ウイルス感染症拡大下、失業や減収といった経済的な影響によって、元々相対的貧困率が高いひとり親家庭の多くが深刻な困窮状態に陥りました。また、感染防止対策の影響により、長期に渡る休校措置と自宅待機を余儀なくされ、親子ともに強いストレスを感じながら生活しなければならない状況が生まれました。

この様な中、日常生活が失われた頼り先の少ないひとり親家庭からフードバンクに対する援助要請が急増したことを受け、今年4月に県内10地域のフードバンク組織が連携し、子どもの貧困対策として『新型コロナ緊急対策 子どもの未来応援プロジェクト』を開始。現在、直接・間接的に県内約1,200世帯に無償で食糧品や衛生用品の緊急支援を実施しています。

今後の更なる感染症流行の可能性も指摘されており、こうした長期間に渡る精神的不安にさらされることで、虐待やDV等のリスクの高まり、不登校児の増加、自殺願望やうつ等の精神疾患を抱えるリスクが高まっています。厚生労働省によると、今年8月の自殺者数は1,854人と昨年同月に比べ251人増え、特に30代以下の女性の自殺者数は193人と昨年同月に比べ74%も増加し、10代では昨年の3.6倍にも上っています。また、産後うつの倍増、妊産婦死亡原因の3割が自殺といった母親の孤立化も深刻度を増しています。

当会では、こうした目に見えにくい社会課題に対し、物質的な支援とあわせて、特に、精神的不安を抱え込みやすい、経済的困窮、虐待や自殺等のリスク、不登校や発達障がいといった複合的な困難を抱える子どもやその家族への「心のケア」に焦点をあてた支援の拡充を図っています。

食を通して子どもの命や育ちを支えるとともに、頼り先が少ないひとり親の不安軽減を図る当活動に対し、今後とも特段のご高配を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

小林 淳
(新潟県フードバンク連絡協議会事務局長)

9月の受け渡しの様子。引き続きご協力をお願い申し上げます。


○次回の「三条別院に想う」は、

光井証吾 氏(第19組法嚴寺)

よりご執筆いただきます

【次回は特別編⑦報恩講を支える裏方】

▲新型コロナウイルス感染症の影響で、本年のお取り越し報恩講は、音楽法要・団体参拝・帰敬式・お斎・本山鍵役の御参修の中止が決定していますが、そんな中、毎年欠かさずお取り越しに加勢していただいている方々がいます。今回は、「掛役(かかりやく)」という、法要前の燈明・蝋燭・焼香・燃香等の火の管理や道具の準備や法要中の仏具をお運びする役に焦点を当ててみたいと思います。2015年の宗祖750回御遠忌法要に向けての掛役研修生として参加していただき、継続して加勢いただいている光井氏に、執筆していただきます。

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