2022年8月22日
慶讃法要三条教区お待ち受け大会に際して
石塚 亜里 氏(第15組長泉寺坊守)
▲5月29日に宗祖親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要三条教区お待ち受け大会が開催され、2023年の本山における本法要に向けての準備も始まってまいりました。今回は慶讃法要実行委員であり、教区坊守会副会長でもある石塚亜里さんに執筆をお願いしました。
私が三条別院に初めてお参りしたのは21年前、結婚後すぐの報恩講でした。「お取り越し荒れ」と呼ばれるあられが降る中、お念珠ひとつ持ってのお参りでした。
鮮やかな仏旗がはためく本堂を見上げ、外にまで響く読経の声に圧倒されつつ、いざ一歩入ると、そこは別世界でした。
まだ紋付羽織姿のお参りの方々がおられた頃です。在家から嫁いだ私にとって、見るのも聞くのも、何もかもが初めてのことでした。
ピカピカに磨き上げられた仏具の前で、雅楽と共に入堂してきた、色とりどりの法衣を着たお坊さんたちの熱気あふれるお勤めは、ただただ圧巻でした。
遠くでお勤めをする夫の背中を見つけた時には、感動や安堵や興奮が入り混じり、何か祈りにも似たような気持ちで泣いたことを覚えています。
2022年5月29日、三条別院にて三条教区宗祖親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要お待ち受け大会が勤修されました。
この度のお待ち受け大会では、私たち坊守会は報恩講と同様に新門様並びに御来賓のご接待と帰敬式受式者とスタッフのお昼のお給仕を担当させていただきました。
ご接待は多岐に渡ります。
まず掃除。部屋の中、廊下だけではなく外の草むしりを率先してくださった坊守さんがおられました。窓が得意だと言い、透き通るほど磨いてくださった坊守さんがおられました。
次に茶器の準備。柄が季節に合わないので、ご自坊から銘々皿をお貸しくださった坊守さんがおられました。使い捨てのおしぼりやおしぼり置き、懐紙をお持ち下さった坊守さんもおられました。
お茶菓子の手配。別院周辺の和菓子屋さんを探し、また、軽くつまめるもので、且つ新潟らしさがあるものを探して奔走してくださった坊守さんがおられました。
この度は50年に一度の慶讃法要お待ち受け大会ということで、多くの坊守さんが色紋付の着物で当日に臨みました。
あの暑い日に、新門様に冷やしたお抹茶を飲んでいただきたいと、氷を準備してもらい急いでお抹茶を立て、後堂まで走った坊守さんもおられました。
その抹茶茶碗も、もし足りなければとお持ちくださった坊守さんがおられました。見つけたゴミをそっとたもとに隠し、履物を揃える坊守さんも。
かっぽう着姿で楚々と立ち働く坊守さんは、なんと素敵だったことでしょう。
ご門徒さんやスタッフさんへ笑顔を絶やさず、くるくるとお給仕をこなす坊守さん達がおられました。
当日来られないからと、念入りにお掃除や仏具のお磨きをされた坊守さんもおられました。
私たちは、お預かりするお寺での、各々の日々の動きを精いっぱい発揮させて頂きました。貴いご縁を頂戴し、ありがとうございました。
坊守会役員の任期はあと1年。この秋の報恩講が、任期中としても、また三条教区としても最後のお勤めになります。多くの皆さんと力を合わせてお勤めしたいと思います。
石塚 亜里 氏(第15組長泉寺坊守)
○次回の「三条別院に想う」は、
風間 正喜 氏
(第19組 満願寺門徒、庭講代表)
よりご執筆いただきます
▲三条別院の庭講の代表を務められ、また報恩講実行委員参拝部の委員もお願いしていた大泉三郎氏が6月30日にお亡くなりになりました。次回は大泉さんの後任として庭講代表を引き受けていただいた風間正喜氏より執筆いただきます。