2020年12月3日
報恩講を支える裏方(第19組法嚴寺 光井 証吾 氏)
▲今回は法要前の火の管理や道具の準備や法要中の仏具をお運びする掛役(かかりやく)に焦点を当てました。
三条別院のみなさん、お取り越し報恩講お疲れ様でした。今年はコロナウイルスの影響で例年のお取り越しとは違い一般参拝や本山お鍵役の御参修が中止になり、毎年お手伝いさせていただいている掛役の仕事も例年より少なくなりました。しかしこんな状況のなかでも声をかけていただき、三条別院、掛役のみなさんと共にお取り越し報恩講のお手伝いをさせていただけたことはとてもありがたいと感じております。式中の仕事は少なかったのですが、新しく太鼓やがん木のやり方を教えていただきとても勉強になりました。
私が掛役をお手伝いさせてもらうようになったのは御遠忌法要の少し前くらいだったので7年ほど前になるかと思います。掛役をはじめた頃は本当に何もわからずにいましたので習礼の時は所作するたびに注意され、まったく前に進めませんでした。緊張して体が自分の思うように動かず仏具がとても重く感じていました。あの当時は私だけができない事が辛くて何度もやめたいと思っていました。それでも諦めずに毎年続けて参加していくうちにある年からなんとなくですが、体が覚えてきた様で、次にどう所作すればいいのか考えなくてもだんだんと動けるようになってきました。誰よりもできなかったので、その分自分が成長していくことを毎年感じられています。今では毎年のお取り越しの掛役の仕事が終わらないと年が越せないくらい、自分の中では大事な行事であり、大切な仕事であると感じられるようになりました。何もできなかった私を懲りずに毎年教えて下さった安藤さんをはじめ掛役の先輩方にはとても感謝しています。元気な限り、これからも掛役のお手伝いをさせていただきたいと思います。
今年は自粛で毎年行われていたお取り越し中の荘厳固め※もできなかった事が少し物足りなく残念に感じました。来年にはまた通常通りに戻って掛役のみなさんと一緒に三条別院お取り越し報恩講を勤められる事を願っています。
※報恩講の初日に掛役が集まり、4日間の法要に臨む決意を確かめ合う懇親会を三条別院では「荘厳固め」と呼んでいます。
○次回の「三条別院に想う」は、
福田 学 氏(第15組善性寺)
よりご執筆いただきます。
【次回は特別編⑨ 本寺小路は今】
別院の参道、本寺小路には真宗門徒も多く、飲食店は新型ウイルスの影響を受けています。冬を迎えるにあたり、善性寺の福田住職に、御門徒の声を中心にお聞きします。