2023年7月5日
地域に開かれた別院
草間朋哉氏(中越12組村松勝覺寺住職)
▲本山の慶讃事業の五つの重点教化施策の一つに「青少幼年教化—ひとりと出会う—」が定められていますが、今回は、5月に三条別院で行われたTERAJAMの事務局の草間氏に執筆していただきました。
5月21日、三条別院にてお寺を会場にしたフェス型ライブイベント『TERAJAM2023』(テラジャム2023)を開催致しました。ご来場いただいた皆様、またご支援、ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。
当日は天候にも恵まれ、本堂では三条教区有志による勤行、直江弘憲氏(第18組長願寺住職)による法話、SLUGGER MACHINE(横浜)、CALMGALE(富山)、Gi₋STA(新潟)の三組によるライブステージ、雑貨店の販売、境内ではキッチンカーの出店やストリートサッカー体験コーナーを行いました。
この『TERAJAM2023』というイベントは「お寺で若者との出あいの場をつくる」を理念に、特に「出あい」ということに重点を置き企画されたものであり、その点においては一定の成果を上げることが出来たのではないかと思っております。
まずは「人と人との出あい」です。このイベントを主催した私たち「オテラノプロジェクト」(代表:第13組願性寺 井上知法)は、寺族だけではなく、寺族以外の友人たちにもプロジェクトのメンバーとして参加を呼びかけ、準備から当日の運営まで関わってもらっています。これまで私自身、寺族で企画し運営する事業には多く関わらせていただいてきましたが、今回は様々な人にも関わってもらったことによって新たな気づきも多く、刺激を受けることが出来ました。(友人たちも「楽しかった」と言ってくれており、ホッとしています)
二点目は「教えとの出あい」です。SNS等で「勤行が良かった」「法話が良かった」と沢山の声を頂戴しております。正直、私自身イベントを開催するまでは「若い人はお参りしてくれるだろうか」「法話を聞いてくれるだろうか」という若者と共に聞法することへの不安や躊躇の気持ちをどこか抱えていました。しかし、熱心にお参りをし、聴聞する若い人の姿を見、その気持ちが単なる「思い込み」に過ぎなかったと反省するばかりです。お寺をお預かりしている身として、共に聞法していく姿勢は大切にしていきたいと改めて感じました。
ただ、イベントしての課題も見えてきた部分もあり、その反省を次に繋げるべく、今後も「オテラノプロジェクト」として様々な企画を通して若者と共にお寺の可能性というものを模索し続けていきたい所存です。
以上「TERAJAM2023」の振り返りを私自身の視点で書かせていただきましたが、そもそもこのようなイベントを開催するに至った要因として、やはり三条別院の存在というものが大きかったのは言うまでもありません。「敷居の低さ」と言うと少し語弊があるかもしれませんが、三条別院が「地域に開かれた親しみやすい別院である」ということは、教区や私たちにとってひとつのアドバンテージなのではないかと思っています。その親しみやすさは、これまでの教区の様々な教化事業や地域のイベント等、多くの人が関わりを持ち、積み上げてきたもの、また人々に「ごぼさま」として愛されてきた三条別院の歴史そのものなのでしょう。三条別院に想うこと、これからも若い人とも共に聞法していくための場として開かれた別院であってほしいと願っています。
草間 朋哉 氏(中越十二組 村松勝覺寺住職)
○次回の「三条別院に想う」は、
本間 正紹 氏(第23組善照寺)
よりご執筆いただきます。