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親鸞聖人と越後七不思議
越後の地では、生活に身近な植物や食物にも、親鸞への謝念が結びついた形で伝承・伝説が数多く伝えられています。特に「越後親鸞七不思議」と呼ばれる旧跡には、親鸞を偲ぶ人々が今も絶えず訪れています。
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1. 鳥屋野の逆竹(さかさだけ)
枝が下向きに生える枝垂れタケ。親鸞が竹杖を逆さに土に挿したところ、枯れた竹は青々と繁茂して一大竹林となったが、不思議なことにその枝は逆さに伸びていたという。
西方寺
新潟県新潟市中央区鳥屋野3丁目1-22
電話:025-283-3916 -
2. 山田の焼鮒(やきふな)
体に黒い焦げ目模様のついているフナ。親鸞が南無阿弥陀仏と言いながら、池に放したところ、その鮒は生き返ったという言い伝えが残っている。
田代家(見真大師焼鮒御旧蹟)
新潟県新潟市西区山田646
電話:025-377-2615 -
3. 焼鮒(やきふな)円盤
池を泳ぐ鮒には久しく串の焼き跡があったと語り継がれており、やがてその袈裟かけの榎の年輪に鮒形が現れるようになった。
誓慶寺
新潟県新潟市江南区平賀210
電話:025-280-2254 -
4. 保田の三度栗(さんどぐり)
親鸞が植えた焼き栗は芽を出すと、年に六月と八月、十月の三度花を咲かせ、その葉の先は二つに分かれて茂ったということです。一年に三度花が咲き、実がなるというクリ。
孝順寺
新潟県阿賀野市保田4626-1
電話:0250-68-2434 -
5. 小島の八房梅と珠数掛桜
親鸞が詠吟して植えたところ、不思議にも枝葉四方に茂り花八重にして色紅になり、一輪に八つの実を結ぶ八ッ房の梅となった。
梅護寺
新潟県阿賀野市小島377
電話:0250-67-2915 -
6. 川越波切の御名号
親鸞が平島村(現在の新潟市西区)に迎えられた時のこと。念仏の教えを説いた後、新十郎という人物が鳥屋野草庵に帰る親鸞を送ろうと信濃川に船で漕ぎ出したところ、北風が激しく吹き、川を渡れなくなってしまった。すると親鸞は懐中から紙を出し、「南無阿弥陀仏」の六字の名号を書き、新十郎に与えた。船の表に掲げると、不思議なことに難なく波を切り分けて渡ることができたという。以来、名号は子孫代々大切に守られている。
鈴木家(川越波切の御名号)
新潟県新潟市西区寺地940-4
電話:025-266-8084 -
7. 田上の繋ぎ榧(つなぎがや)
数珠繋ぎにされていた榧(かや)の実を庭に植えると、不思議にも芽がでて枝葉が途中で反転し、繋ぐ穴のあいた実がなったという。
了玄寺
新潟県南蒲原郡田上町大字田上丙1285-1
電話:0256-57-3422 -
8. 国府の片葉の葦(あし)
親鸞の教えに感化されて、葉が片方だけを向いてなびいたといわれている。
居多神社
新潟県上越市五智6丁目1-11
電話:025-543-4354