三条別院|報恩講

2022年11月6日

シアターあとがき

お知らせ

実はいのちや寿命って…

今を生きる私たちは、いのちや寿命を考える時、いのちを自分の自由になる所有物と思ったり、自分の都合や願望に合わせて寿命を考えたりします。大体平均寿命に少しプラスし、あと何年生きれるかとか勝手に想像し一喜一憂しています。

 

今回の演劇『しにがみ』でも生死を入れ替えたり、ローソクの減りで寿命の長さを表現しています。減っていけば死が近づき消えれば死んでしまう、まるで死へのカウントダウン。特に寿命に関してはこれが広く世間のイメージではないでしょうか?

私たちが日々生活している世界(娑婆しゃば)は刻々と変化しながら全てご縁の重なり合いで成り立っています。死の条件(ご縁)さえ揃えば即座にいのちは無くなってしまいます。またその逆に生の条件(ご縁)が揃えば生きていける。死と背中合わせのいのちは奇跡と言えるでしょう。

 

実はいのちや寿命って、尊い一瞬一瞬の奇跡が積み重なる結果であり、今私が存在しているという事は、たまわったいのちの歴史の最先端を生きているという事。

 

しかしながら私たちは積み重なる尊い奇跡の一瞬をあたりまえとして生きています。
今こそ、そのあたりまえを大切に。