2023年11月6日
シアターあとがき『よだかの星』
シアターサンジョーゴボー第7回公演『よだかの星』(宮沢賢治原作)
シアターサンジョーゴボーの一貫したテーマは「人間の業」であります。
今回の演目「よだかの星」はその容姿の問題から始まる様々な存在問題が起こります。
強きは正義。
強いものにより弱いものが殺される(弱肉強食)という問題。
強いものに自分の名前が奪われるという事。
この問題は、もはや現代人なら罪意識など持たないないかもしれません。
ただ個人のその罪意識とは関係なく社会権力により犯罪とされた場合そのものは断罰を受けることになります。
宮沢賢治は私たちに対してそれは普遍的な「罪」なんだと定義しているのがこの「よだかの星」なのではないかと私たちは考えています。「罪」であればそこには同時に「救いが」提示されていなければなりません。
それを賢治は「星になる」ということで表現されているのですが、ある意味「童話」らしいとは思いますがそこは少し曖昧です。
そこに私達なりの「救い」を表現してみました。
観劇された方々にはそれぞれ、「罪」と「救い」について考察していただければ幸いでございます。