2022年4月6日
結婚式は今〔瀧沢 正登 氏、瀧沢 舞 氏(第15組善性寺門徒)〕
【特別編㉑結婚式は今】
▲瀧沢さんご夫婦は昨年11月に三条別院本堂にて仏前結婚式を勤められました。予定していた式が新型ウイルス感染症のため1年間延期となりましたが、1年越しの結婚式を無事に終えたお2人に、現在の心境や経緯などを執筆いただきます。
令和3年11月23日、私たちは三条別院で結婚式を挙げました。
周りの人に「お寺で結婚式を挙げるんだ」と話したら、必ずと言っていいほど「お寺って結婚式できるの?」「お寺なんてお葬式とか法事とか悲しいイメージしかないけど…」などと言われました。
しかし私たちにとってお寺は幼い頃から身近な存在でした。
私たちの出身保育園の敷地内にはお寺があり、時々園長先生が園児を本堂に集め大事なお話をしてくれました。毎朝、教室では小さな仏様を拝み「ののさまのうた」を歌いました。そして毎年4月には「花まつり」があり、白い象と一緒に保育園の近くを練り歩き、お友達と甘茶飴を食べるのが楽しみでした。そんな幼少期だったから、お寺に暗いイメージは持たなかったのだと思います。
年月は経って私たちも結婚する年齢になりました。結婚式をどこで挙げるか、という話になった時に真っ先に「仏前結婚式がいい!」と思いました。
ウェディングドレスやタキシードもいいけど、日本人なのだから、「日本の伝統的な結婚式を挙げたい」そう思いました。
仏前結婚式は「2人が巡り会えたご縁を仏様やご先祖に感謝・報告する儀式」であり、「自分のルーツや不思議なご縁を大切にしたい」と考える私たちにはピッタリでした。
三条別院で挙式するにあたり、「この人なら力になってくれるかも」と、たびたびローカルメディアを賑わせている三条別院の職員斎木氏をたずねました。「本堂大解剖ツアー」で「こんな素敵なお寺で結婚式ができたらなぁ」と惚れ惚れした三条別院の本堂。ツアー後すぐに斎木氏に一般人の挙式の可否について直談判したのもいい思い出です。海岸御輪番も、突然の司婚のお願いにも関わらず快諾してくれました。
当日を迎えるまでに沢山の方々のご協力のもと、新婦はかねてより憧れだった白無垢をまとい、地毛結いの文金高島田と角隠し、雅楽の生演奏が響き渡る三条別院の本堂でこの佳き日を迎えることができました。
参列者からも「お寺の結婚式っていいね」「すごくいい式だった」と大好評で、本当にいい思い出になりました。
この場をお借りして三条別院のみなさま、ご協力いただいた方々に改めて感謝を申し上げます。
瀧沢 正登 氏
瀧沢 舞 氏 (第15組善性寺門徒)
▲さらにお話を聞いてみました!
Q1.新型ウイルス感染症で、1年間結婚式が延期になってしまいましたが、どのようなお気持ちだったでしょう?
A.せっかく結婚式を挙げるなら後悔はしたくなかったので、あまり悩まずに一年延期の決断はできました。感染状況に関しては「お祈り」するしかなかったです。(正登)
A.家族婚にするとか、新型ウイルスが完全に収束したら挙げる、とか色々考えたけど、どんなに悩んで心配したところで1年先の状況なんて誰にも分からないんだから…とむしろ冷静に延期を判断できたと思います。悲しいとか、悔しいとか、不思議とそういう気持ちはなかったです。置かれた状況下で出来ること・諦めることを別院スタッフやプランナーと一緒に考えた結果、私たちらしい式・披露宴ができました。 2021年秋は比較的、感染状況は落ち着いていましたので県内在住者に限ってですが親族や友人にも来て頂くことができてよかったです。ただ、高齢で体が弱ってしまった祖父母に晴れ姿を見てもらえなかったのだけが心残りです。(舞)
Q2. 除夜の鐘、修正会にも来ていただきました。私たちは、実際にもっと参詣者が多ければいいと考えることもあるのですが、お参りしてみてどうでしたか?
A1. お寺での二年参りは初めてでしたが、 凛と冷たい空気が漂う真夜中の本堂で聞くお経も、予想外に重かった除夜の鐘も、冷えた身体を温めてくれた今泉の年越し蕎麦も、どれも新鮮で良い体験ができました。次回もぜひ行きたいと思います。(正登)
A2.二年参りや初詣は神社にしか行ったことがなかったので何もかもが新鮮でした。 除夜の鐘を待つ待合室では、温かい飲み物が頂けたり、別院スタッフや参詣客の楽しい交流が見聞きでき、地域に根ざした、みんなに愛されるお寺なんだなぁと改めて感じました。 確かに神社と比較するとお寺の参詣客は少ない印象でしたが、私のように人混みが嫌いな人でも来やすく、それはそれでいいんじゃないかと思います。 今年の二年参りもまたお邪魔しようと思います。(舞)
○次回の「三条別院に想う」は、
田中 美央 氏(ウコン農家)
よりご執筆いただきます
【次回は特別編㉒DODALO?を使ってみた】
▲「新型ウイルス感染症対策が取られる中で、人と人との直接的な対話が減ってきた」という課題の下、三条別院が制作したトークカードの販売が始まりました。ウコン農家の田中さんが、実際に購入して使っていただいているという情報を得ましたので、その感想等をお聞きしてみます。