三条別院|報恩講

2018年11月29日

2018年三条別院お取り越し報恩講が円成。

ご報告

「如来大悲の恩徳は」11月8日結願日中(御満座)の静まり返る本堂に繰り上げ調声が響き、「身を粉にしても報ずべし、師主知識の恩徳も骨を砕きても謝すべし」と助音方が静けさを破り、三昼夜四日間ですでに枯れかけた声を振り絞って力強い声で勤め、お取り越し報恩講が円成を迎えました。

お取り越し報恩講では、三条声明会に加勢を得た高く張った声明に、雅楽が附ける。

「身を粉に」「骨を砕きて」報ずることが我々にできるでしょうか?という問いかけを、かつてある法話講師がされたことがありますが、この場にいる者たちはみな、4日間の法要を迎えるために、法要に携わるものは習礼を重ね、各部門のスタッフは会議と準備を重ねて、このお取り越しをお迎えしています。毎日毎日、世間の感覚で言えばもしかしたら「不可解」ともいえる環境の中に、足を運ばれ続けるその姿をみると、恩徳讃の言葉が響いてきます。750年以上、脈々と伝えられてきた親鸞聖人の御命日の法要は、このような人びとの中に生きてきたのであり、その姿が信心として人の心を動かし続けてきたのではないでしょうか。

信明院鍵役が登高座して報恩講式・嘆徳文を拝読。

毎年5日午前はお取り越しお待ち受け音楽法要として勤められる。今年は境内地総合整備事業完了奉告法要と兼修。県内各地から合唱団が集合。

声だけでなく、所作もそろえるように、合唱団も習礼を重ねてきた。

「女声」助音による声明。習礼を重ねた19名が出仕。

今年は、境内地総合整備事業完了奉告法要がお取り越しお待ち受け音楽法要と兼修で五日午前に勤められ、別院周辺の自治会町・商店街組合長をはじめとした方々にもご参列いただきました。それに先立ち、三日は三条市主催で念仏小路開通式を行っていただき、別院輪番が乗るクラウンと三条市のコペンが、松葉幼稚園の保護者や地域住民の皆さんがお迎えする中、本寺小路から念仏小路へと進入し、アルパカとともに賑わう茶所講跡地にて開通を記念する挨拶を行いました。別院に毎日訪れる人だけでなく、地域の方々や、遠方からお参りに来る方々にも親しんでいただけるような境内地整備が願われており、換言すれば「門前、市をなす」(『御伝鈔』上巻)(実際、お取り越しには五日・六日には露店市が開かれています)と言われるように、三条別院がすべての人々に開かれ、仏法が広まることが願われているのです。

ここで、今年のお取り越し報恩講について、簡単に報告します。

森田輪番の乗るクラウンが、本寺小路から念仏小路へとやってきました!

クラウンに続き三条市のコペンが走り抜ける。

念仏小路開通式に参加した子どもたちにお菓子を配る森田輪番。

念仏小路開通式には近隣の住民の方々や松葉幼稚園の園児や卒業生などさまざまな方に通っていただいた。

超難解スタンプラリーもりあげ隊が組織され、地道な活動をする。アルカパも応援しています。

境内地総合整備事業完了奉告法要における土地有効活用検討委員会の青木委員長より挨拶。別院周辺の自治会長や商店街組合長にもご参列いただきました。

長い法要になると蝋燭の立て替えや切燭が必要となる。

三河スーパー絵解き座の名和正真氏による絵解き法話(5、6日)。

親鸞仏教センターの田村晃徳研究員による法話(7,8日)

森田輪番による『御伝鈔』上巻拝読(5日)。唐戸を閉め切った本堂で、厳かに練り出しが行われた。

多田誓氏による『御伝鈔』下巻拝読(6日)。

信明院鍵役による帰敬式(6日、7日)。

7日の結願逮夜には藤井堂衆が御俗姓を拝読。

今年のシアターサンジョーゴボーは手塚治虫原作の火の鳥異形編。写真は劇団員演じる主人公の一人である「尼御前さま」。今年も僧侶エキストラの出番は多く、尼御前さまに癒されました。

3日のごぼさま寄席は三遊亭金馬師匠が病気療養中のため、金時師匠がとりを勤めた。

お斎につく辛みそは、別院の賄い職員が代々つくっている。

試作を重ね、糀屋団四郎に販売用の辛みそをつくっていただきました!

若干舞台裏も…

4日に下ごしらえするお勝手スタッフが休憩している様子。1日最大400食のお斎を4日間作るのは、体力も必要です。

立花スタッフは一週間がかりで仏花を仕上げる。最終日のスタッフだけ写っています。実は、これから、前卓に乗せるのが大仕事が残っているのです…。

お内仏用の仏花も報恩講用に!よくみると五具足ではありません。会議室と研修室の2部屋分です。